ジュエリーのサードウェーブか。ジュエリーデザイナー山崎藍子、蒔絵宝飾への挑戦、そしてこれから。




2016年11月6日、大阪リーガロイヤルホテルサロンドールにて「Brilliant 山崎藍子宝飾作品展」を開催し、それを成功裡に締めくくった、大阪を拠点に活躍している新進気鋭のジュエリーデザイナー、山崎藍子さん。当日のスペシャルランチタイムのドレスコードをピンクと決め、自ら淡いピンクのワンピースを着用して、会場入り口にて、朝早くからご来場のお客様を笑顔でお出迎えしていた。

山崎藍子さんは、幼年期ロシア国立ワガノワ・バレエ学院に留学。そのころのオマージュが作品の原点。しなやかでありながら力強いバレエのエレガントな輝きを巧みに取り入れた山崎藍子さんならではのジュエリーコレクション「エトワール」「ポアント」「コールト」「アントルシャ」をまず発表。

1987-88年、ロシア国立ワガノワバレエ工学院に短期留学

2007年、イタリア、イギリスより招待を受け、現地のジュエリーショーや制作現場、文化施設を視察。

2009年9月、京都清水寺成就院にて個展、香港ジュエリー&ジェムフェアーに作品を出展。

翌2010年3月、BASEL WORLD、6月オランダ美術館、9月香港ジュエリー&ジェムフェアーにジュエリーコレクションを出展、と活躍の場を海外に広げていった。





2011年秋発行の世界で最も歴史ある英国宝石学協会の季刊誌である「Gems&Jewellery」にて香港ジュエリー&ジェムフェアーに出展した山崎藍子さんコレクションの蒔絵を施した真珠の取材記事が次のように掲載された。
「9月の香港ジュエリーショーは、巨大で多数のジュエリー出展社、そして鑑別機材などの関連企業の出展があるなか注目を浴びるのは困難な状況。そんな中、日本の伝統技法(蒔絵)によって装飾された真珠が目を引いた」

2015年11月、高野山三宝院にて個展を開催。














さて、今回のイベントで注目のコレクションが、蒔絵宝飾の新シリーズ。
平安期から伝わる蒔絵技法。蒔絵の素地である漆には悪いものを寄せ付けない強い力があると信じられている 。うるしを分泌するウルシノキが傷つくと漆の原料となる樹液を分泌し何ものも寄せ付けない。乾燥後はどんな酸にも溶けない強固なものになる。

日本の伝統工芸を未来に紡ぎたい。そんな強い思いで蒔絵に魅せられた山崎藍子さんが加賀の伝統工芸・蒔絵師松山武司氏と組み、作り上げた蒔絵宝飾シリーズのひとつが真珠に蒔絵を施した作品。




さらなる挑戦として、今年、2017年には、木の素材に蒔絵を施した作品が加わることになる。

バレエへのオマージュからスタートした山崎藍子さんのジュエリーへの世界観。ヨーロッパの宝飾工芸視察から帰国して、日本の伝統工芸に触れたことで、日本独自の美への憧憬が芽生え、次の作品へのイメージと創作意欲が沸き立っていると思うのは、彼女のファンや私ばかりではあるまい。

さて、コーヒー業界では、産地と品質にこだわり、コーヒーの挽きたて、淹れたてをお客様に提供するスペシャリティコーヒーがサードウェーブとして注目され、またビール業界では、クラフトビールを扱うお店が同じくサードウェーブとして今人気だ。

ジュエリー業界においては、日本の伝統技法を宝飾品に融合させることにより新たなジュエリージャンルを作り出していくムーブメントは、まさにジュエリーのサードウェーブと言えまいか。

写真家として、主に海外で絶大なる評価をうけ、故郷鳥取県大山のふもとに「植田正治写真美術館」を持つ、故植田正治氏は、フランスでそのスタイリッシュでしかも温かみのある独特な作風が「Ueda-cho(植田調)」として認められる存在になった。

ジュエリーにバレエのしなやかさと強さを吹き込み、日本の伝統技法を宝飾に融合させようとしている山崎藍子さんには、その作風が「Aiko-cho(藍子調)と評価されるような存在に是非なってもらいたい。

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「箕面のちいさな宝石屋」取材

「相談できるアットホームな宝石屋」がコンセプトの「箕面ちいさな宝石屋」をさくら咲くうららかな日に訪れた。

店舗は、箕面市船場西1丁目にあるビルディングの2階。出迎えてくれたのは、店長の越野 泰明氏。関西大学でアメリカンフットボールのディフェンダーとして活躍、現在も本業のかたわら社会人チーム「西宮ブルーインズ」のコーチとしてチームを支えている。

越野 泰明氏は、時計・宝石業界の三代目。氏の祖父が大阪住吉区に昭和5年「コシノ時計店」を開業。父が「越野宝商」としてジュエリーの卸業を始め、今にいたる。卸業を継承しつつ、時代を見すえ、三代目越野泰明氏が始めたのがリフォーム、修理に特化した専門店「箕面のちいさな宝石屋」だ。

店舗を開いて2周年を迎え、昨年12月14~16日に始めての試み「ファミリーセール」を催し、盛況のうちに終わっている。

さて、「箕面のちいさな宝石屋」の特徴は、アットホームな雰囲気で気軽に相談できることと、修理、リフォームに関しての卓越した技術力にある。他店で断られた海外ブランドの修理、サイズ直しもさらりとやってのける。

リフォームの価格は、曖昧にせず、ホームページ上で事例集のなかで公開している。来店客のほとんどがホームページ、あるいは店長越野氏のブログを見て安心して当店を訪れていることを聞き、なるほどとうなずける。

お客様に送っているニュースレターは、A4見開きサイズ6ページで、長女が生まれた話題、こっしーコラム、宝石にまつわる話などバライティー豊かだ。

ジュエリー業界は、まだまだ厳しい環境にある。アメフトのように 、10ヤードを着実に前進し、タッチダウンを勝ち取ってもらいたい。商いのフィールドは長くて荒れているのだから。





















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「美暁 MIAKARI」コレクション 蒔絵真珠〜ルネッサンス・ジェム

久しぶりのジュエリーサロン取材。大阪市西区北堀江にある、有限会社ルネッサンス・ジェムのサロンを訪問。前回の取材は、2008年6月6日に当ブログにアップしている。副題は、「バレリーナの感性でジュエリーをデザイン」。サロンのオーナーで会社の代表は、ジュエリーデザイナーの山崎藍子氏。

バレリーナであった山崎藍子氏の経験から生みだされる「バレエ芸術」へのオマージュとしてのコレクションは、「ポアント」「ブーケ」「エトワール」「プリンシパル」がある。

今回の訪問の目的は、新しく展開する「美暁 MIAKARI」コレクションの取材。

「美暁とは美に関わる何かの始まりを意味します。美は対象を高める最も崇高な行ない、暁は新たな始まりを感じさせる言葉。美暁コレクションは、日本の中にある自然、物語、言葉からのインスピレーションに日本に受け継がれてきた技と現在のエスプリが加わり、新たな表現が生まれました」

これが「美暁」の基本コンセプト。

2008年に、山崎藍子氏は、杉原敏之氏と御結婚されている。杉原氏は、ルネッサンス・ジェムにて色石の仕入れと研磨、デザインを担当している。

杉原氏は、大阪コミュニケーションアート専門学校にて、宝石・ジュエリーについて学んだのち、スリランカで宝石研磨修行。2000年帰国後、宝石輸入製造卸会社に勤務。2008年結婚し、2009年FGA-Diplomaを取得するという経歴をもつ。

デザイナーの山崎藍子氏と宝石研磨に造詣が深い杉原敏之氏のマッチングから生まれたのであろう「美暁」コレクション。

その「美暁」コレクションから生まれたのが「蒔絵真珠」。

以下、ルネッサンス・ジェム「蒔絵真珠」から引用。

奈良時代に技法の原型が姿を現し、日本にのみ存在する伝統技法「蒔絵」。時を同じくして日本最古の正史である日本書紀に登場する「真珠」。千年以上の時を越えその二つが融合し新たな創造が始まる。

蒔絵の素地である漆には悪いものを寄せ付けない強い力があると信じられている 。うるしを分泌するウルシノキが傷つくと漆の原料となる樹液を分泌し何ものも寄せ付けない。乾燥後はどんな酸にも溶けない強固なものになる。

++++

蒔絵真珠は、英国宝石学協会季刊誌「Gems&Jewellery」2011年秋号に紹介されている。

尚、7月14日から16日まで、京都岡崎にある「象彦漆美術館」に蒔絵真珠の作品が出展される。


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ストーンアクセサリー「アナヒータ ストーンズ」

ストーンアクセサリー「アナヒータ ストーンズ」
すっかり定着した感のある、天然石アクセサリーショップ。イオンモール伊丹の専門店モールにも「アナヒータ ストーンズ」が入っています。5月13日が「母の日」にあたり、お店推薦のプレゼントセットを提案していました。

お店で常時、誕生日による占いをしていて、「あなたのラッキーカラー」を教えてくれるそうです。たぶん、そこを接客の話題の導入部にして、天然石アクセサリーをお奨めするのでしょう。

勾玉シリーズやメンズブレスレットの提案コーナーなどがあり、お店独自の工夫があります。

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Pandora 元町店

今日は、天気がよく一日神戸三宮、元町界隈をぶらぶらしていました。話題のアクセサリーショップ「Pandora 元町店」を訪問。勿論、店内に入り商品を見てきました。

スタッフは愛想よく応対してくれて好感がもてました。ビル自身が細長く入りづらいのが気になるところ。あとは、ブランドの認知をどう高めるかですね。

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東日本大震災を乗り越えて 仙台インタージェム

今年3月11に東北地方を中心として東日本を巻き込んだ東日本大震災。加えて、大津波が発生し沿岸地域は壊滅的な被害となりました。さらに悪いことに、福島原子力発電所の事故を誘発しました。

宮城県仙台市の中心地青葉区の商業地区にある商業ビル7階でジュエリーサロンを営んでいますのが(株)インタージェム。震災によりそのサロンはめちゃめちゃに。事務室の約1トンの金庫が倒れてしまったと聞いていますので、その揺れの凄まじさを推し量ることができます。

3月下旬に予定していたジュエリーフェアをやむなく中止。オーナーの佐藤郁雄氏とサロンのスタッフは、佐藤氏の的確な指示と機転により幸いにして全員が無事で、早くも4月1日にブライダルコーナーをオープンさせました。3日に、気仙沼から瓦礫の道を4時間かけて結婚指輪を買い求めにご来店されたお客さまがいて佐藤氏はこの上なく感激したそうです。その後も、自衛隊員の方が指輪を購入されるなど仕事は徐々に増えたそうです。

11月13日、14日は、震災後2回目となるジュエリーフェアをサロン内インタージェムホールにて開催。今回のフェアの目玉は、「ウィズ・ベビー・マルチ」と幻の技法「ピクウェ」。お客さまの評判は上々だったそうです。

オーナーの佐藤郁雄氏は、フェアのご案内状のなかで、以下のように語っています。

東日本大震災を機に物事の考え方が変わったように思います。
今までジュエリーは、ただ身を飾り贅沢品だと思われてきました。
勿論綺麗なものに憧れる思いは同じですがジュエリーが人と人を結ぶ絆であり、人に勇気や力を与えてくれるのもジュエリーだと気付いたからなのでしょうか。

インタージェムのジュエリーフェアでは、押し付け販売は一切ありません。来場のお客さまに宝石、ジュエリーを見ていただく、ジュエリーを着けて楽しんでいただくことを一貫して貫いてこられました。

宝石の処理に関しても情報開示を徹底しています。そのような姿勢は、「佐藤スタイル」と言っていいでしょう。さらに言うならば、「佐藤イズム」としてジュエリー業界にひろがって欲しいと思うばかりです。

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仁醒のお店探訪~1億円福袋対決 ジュエリーツツミVS GRAVIE その2

仁醒のお店探訪~1億円福袋対決 ジュエリーツツミVS GRAVIE その2
イオンモール伊丹テラスに夕暮れどきがせまるころ、JR伊丹駅近くにありますニトリに部屋の本を整理すべく本棚を下見にいきました。帰り道すがらイオンモールにあるもうひとつの宝石店をまだ見ていないことを思い出し、再び館内に戻りました。


さて、そのお店は、ツツミの前にあります「GRAVIE」です。以前、訪れたとき、9割引きのワゴンセールをやっていて驚いたお店。


今回は、ツツミと同様に、1億円福袋セットをやっていました。そのセット商品の横には、「2011」万円の同じく福袋セットがありました。1億円福袋セットのPOPをよく見ますと、「1億円」の文字の下に、小さく「~3000円」の文字が・・・。


おい、おい、3000円の福袋まであんのんかい!と、おもわずツッコミを入れたくなりました。


もしかして、これは、店長のウィット?ある表現なんでしょうか。商品ディスプレイは、ツツミより工夫が見られましたが、その福袋セットを見て、さしたる感動はなし、でした。

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仁醒のお店探訪~1億円福袋対決 ジュエリーツツミVS GRAVIE その1

仁醒のお店探訪~1億円福袋対決 ジュエリーツツミVS GRAVIE その1
仁醒のお店探訪~1億円福袋対決 ジュエリーツツミVS GRAVIE その1
元旦明け2日、初売り目当て、お得な福袋をゲットするため、はたまた家族で楽しく食事をするなどの目的で、ひとひとひとでごった返していました、イオンモール伊丹テラス。


さらに、午後3時30分より、「松竹初笑いイベント」が始まったことで、館内一部で大渋滞。


そんななか、訪れたのは、1億円福袋を作った、ジュエリーツツミ。


1億円福袋セットの内容は、

K18WG ピンクダイヤモンドリング 2ct
Ptダイヤモンドリング 10ct
Ptパライバトルマリンリング 7ct
Ptアレキサンドライトリング 6ct
Ptダイヤモンドネックレス 22ct
Pt/K18WGパライバトルマリンプチネックレス 17ct


限定1セットのその商品は、すぐ見つかりました。正面のショーケースに何気なく並んでいました。


高額商品なので、お店の奥まったところに鎮座ましましていると思っていましたので、ちょっと拍子抜け。


それぞれの宝石は、キャラ目をみれば、お分かりの通り、大粒で迫力はあるのですが、「見せ方」「ディスプレイ」のせいか、イマイチ感動しませんでした。


なぜか印象に残ったのは、藤原紀香が装着したというPOP。「ふーん、そうなんや」という感じ。

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幸せのジュエリーを作る妖精が棲むお店 K.UNO

幸せのジュエリーを作る妖精が棲むお店 K.UNO
幸せのジュエリーを作る妖精が棲むお店 K.UNO
ケイ・ウノのお店の外観は非常に目を引きます。ちょっとおとぎ話に出てくるような不思議なエントランス。


「幸せのジュエリーを作る妖精が棲むお店。K.UNO。
お客様の想いをカタチにする、それがケイ・ウノ。
デザイナーが真っ白なキャンパスに1本の線を描くところからはじまり、コンシェルジュ、デザイナー、クラフトマンがお客様の気持ちと一緒になって作り上げたジュエリーは、まるで幸せの粉をかけて妖精が作ったよう・・・。
今日もひとりひとりの想いが、ひとつひとつカタチになって生まれていく・・・。」


黄色の表紙、BRIDAL COLLECTIONから引用した一文。


これからは、専門店の時代。それは、百貨店とても同じ。それぞれが独自の色を出していく。商品選定、商品企画によって専門店化へ。


個人の嗜好、スタイル、ファッションが決めてとなるジュエリー。画一的な商品が売れる時代は終焉し、ひとりひとりにマッチした商品提案が必要。


まさに、「百人百様」。


そういう時代に対応できる専門店が生き残れる、と思います。

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「らしさの宝石店」

海外ジュエリーブランドショップの攻勢のなか、日本の宝石店は旧態依然とした経営を続けているところが体勢を占めています。街の時計・眼鏡・宝飾の兼業店のなかには、店が老朽化、店主が高齢化し、ただ日々お店を開けているだけといったものも多いのが実態です。

そのようななか、アイデアを絞り、独自のスタイルで頑張っている宝石専門店があります。いままで取材した宝石店を分析、分類してみますと、地元に根ざした「かかりつけの宝石店」、宝石愛好家に愛されている「御用達の宝石店」が浮かび上がってきます。

以前から、宝石専門店として重要なことは「らしさの追求」だとブログで提唱してきました。「らしさの追求」により「ならではの商品、サービス」が生まれるのです。ここのところ宝石店を取材して感じていることは、宝石という素材の特徴、特性を理解し、洋菓子でいう「パティシエ」的な存在の工房ジュエリー店がこの逆風のなか健闘していることです。

洋菓子の世界では、「不二家」「コロンバン」などのチェーン店があり、パンメーカーが作っているケーキがあります。街のコンビニに行きましても、シュークリームや季節のスイーツが店頭を飾っています。海外の洋菓子店で修行して独立したり、国内の有名店で腕を磨き独立したパティスリーが独自のスイーツを販売し、業績を伸ばしています。その背景に、日本でも洋菓子を当たり前に食べる習慣が定着し、既存のありきたりのケーキでは飽き足らない「口の肥えた」スイーツファンが増えたことがあげられます。

ジュエリーを取り巻く販売環境も、同じようなことがいえます。既存の大型チェーン店は同質化し、同じようなテイストのジュエリーが並んでいます。看板をすげ替えても、どこのブランド店かさっぱり分からない店が百貨店、ショッピングモールなどに出店しています。現在は、そういうチェーン店の売上が、日本の小売販売額を支えているわけですが、百貨店のリニューアルを見てもわかるように、同質化したチェーン店がこの先伸びる可能性は低いと思います。

これからは、ジュエリーパティシエがいる「らしさの宝石店」が伸びると思います。「らしさの宝石店」には、センスの光るジュエリーをセレクトし、独自の催事を展開しているお店も含まれるでしょう。

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