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宝生家の宝食なる日々〜第3話 (3-35)仁と透とダイヤモンド

仁は、ハート&キューピッドのダイヤモンドがどちらかと言えば、好きではない。仁は、ブライダルに使用するダイヤモンドであれば、カラースケールで言うと、F-Gアップ、クラリティーならVSクラスアップ、カットグレードは、「very good」で十分で、なにも「excellent」にこだわる必要はないと考えている。

エクセレントカットグレードのテーブルが狭いダイヤモンドは、少し斜めから見たときに、まれにガードルがクラウン部分に見えるものがある。いわゆるフィッシュアイである。この場合は、「斜めフィッシュアイ」というべきか。テーブルが狭いダイヤモンドは、フェイスアップから見てダイヤモンド全体が狭隘な印象を受けてしまう。テーブルパーセントに限っていうならば、58〜62%程度の大きさでベリーグッドカットグレード、シンメトリーがよく、クラウンとパビリオンのバランスのとれたダイヤモンドを仁は好む。

だいたい、フェイスアップだけでそのダイヤモンドのカットの良し悪しを判断していいものだろうか。普通、ダイヤモンドエンゲージリングを自ら手にとって見たり、友人、知人がそのジュエリーをみる場合、斜め上からが見るのが基本ではないだろうか。

はっきり言うと、あまりにもエクセレントにこだわるブライダルジュエリー専門店は、ダイヤモンドに関して深い知識、評価する技量が乏しく、そのグレードをダイヤモンドレポートだけに頼っていると仁は思っている。

仁の友人たちは、おもにGIAの卒業生である。ダイヤモンドの海外買い付けバイヤーや以前そうだった連中が多いので、彼らも仁の考えに同感し、エクセレント偏重のブライダルダイヤモンド販売に憤懣やるかたない思いをよせている。

一方、海外に視点を転じてみると、インドやイスラエルのダイヤモンドカット会社大手が、デビアスの販売戦略が変更したこと(SOC サプライヤーズ オブ チョイス)に伴い、ぞくぞくと日本に支店や事務所を開設している。それで日本のバイヤーたちはわざわざダイヤモンドを海外に買い付ける必要がなくなってしまっている。しかも、ソーティング付きのダイヤモンドばかりが流通しているので、ルースのダイヤモンドをルーペで見る機会が減っているのが現状だ。

数少ない現役ダイヤモンドバイヤーの友人に仁が聞いたところによると、ベルギーでもソーティング付きダイヤモンドの取引が増えているらしい。

つづく。

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