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宝生家の宝食なる日々〜第3話 (3-29)仁と透とダイヤモンド

仁は、東京にいたころから、ジュエリー業界に携わる業界人の宝石を見る目の低下を嘆いていた。バブル時期、3兆円にも膨らんでいた業界規模は、今は約三分の一に減ってしまっている。低迷の原因は、いろいろ考えられるが、そのひとつが現場の販売員の知識、能力の低下だ。

浅見透がオーナーの「ジェムクラフト」は、工房ジュエリーだ。自店でデザイン、原型制作、石留め、最終仕上げをこなしている。浅見は、もちろんデザイナーでありグラフィック担当の佐々木真一、販売担当の北条理恵もルーペとピンセットでダイヤモンドや色石のアソートができる技量にある。

北条理恵は、東京で資生堂の美容部員(ビューティーコンサルタント)としてトップクラスの実績があり、仁の影響で「ジュエリーコーディネーター1級」の資格を取るまでになった。理恵にルーペとピンセットの使い方とアソートのイロハを教えたのが、仁の娘ヒカルだ。ヒカルの師匠が仁。

「専門店は、百店百様」が、仁の考え方だ。だから、全てのジュエリーショップの販売員がルーペとピンセットを自在に操れる技量が必要とは思っていない。ただ、「ジェムクラフト」は、ジュエリーの修理やリフォーム、オーダーメイドを行っているし、ショップオリジナルブランドを制作している。材料モノの色石やダイヤモンドメレーの在庫も多少ある。例え、販売が担当であってもピンセットでルースをスムーズにピックアップし、ルーペで品質を検品できれば、ベターだ。ショップスタッフは、4人しかいないし、シフトを組んで各自休みを取らなければいけない。ショップは、お客様の利便性を考えて、正月三ヶ日を除いて無休としている。

特に、資生堂で一流の美容部員だった理恵のご贔屓筋のお客様が気まぐれにお店に電話があり、ショップにご来店になる。健やかに美しく生きることは、女性なら誰しも願うこと。理恵は、お客様の化粧品や食生活の良きアドバイザーになっている。理恵は、芸能人で言えば「井川遥」似の嫌みのない癒し系の美人だ。ただ、身長が、156センチで小柄なほうで、もう少し背が高かったら、モデルとしても一流になれたかもしれない。しかし、同性からみれば、かえってそれが愛嬌になっているかもしれない。

理恵は、聞き上手なので、美容やファッション、ジュエリーなどの相談に収まらず、ご主人や子供など家庭内の悩みを打ち明けられることが多い。

続く。

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