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宝生家の宝食なる日々〜第3話 (3-6)仁と透とダイヤモンド

さて、合成ダイヤモンドについて基本的な認識を高める必要がある。

そこで、過去に掲載したブログ「宝石月夜ばなし」でまとめた記事をそのまま転載する。

さらに、CVD合成ダイヤモンドと続く。


合成ダイヤモンドについて

2008/09/17

 合成ダイヤモンドについてマトメてみました。
1.合成ダイヤモンドの成功
 人類が始めてダイヤモンドの合成に成功したのは、1955年、ダイヤモンドが熱力学的に安定する高温高圧下で成長させる方法で、一般的に高圧合成法と呼ばれています。
 約20万気圧、2000℃以上という条件で成長させる高圧合成法により、大量のダイヤモンド粉末が工業的に生産可能となりました。研磨用のダイヤモンド砥粒として、あるいは、再度高熱高圧を加えて焼結成形することにより、焼結ダイヤモンド工具として広く用いられています。
 産業界で用いられるダイヤモンド材料は、ほとんどが高圧合成ダイヤモンドで占められています。
 1980年代の初め、日本の研究グループが世界に先駆けて、ガス原料を用いた気相成長法によるダイヤモンド合成に成功しました。
 気相合成法によるダイヤモンドは、ダイヤモンド膜状で、通常は直径10μm以下の結晶の集合体となります。気相合成法は、高圧合成法と比べて小型かつ簡便で、任意の形状にコーティングできることから、機械工具などのハードコーティングやエレクトロニクス分野での応用に期待されています。
2.ダイヤモンドの合成法
 ダイヤモンドの合成法は、「高圧法」「低圧法」に大別できます。
 高圧法には、油圧プレスで試料を加圧する方法として「静的高圧法」と、爆薬の爆発の加圧によって試料を加圧する「動的高圧法」があります。静的高圧法には、黒鉛単体に高温高圧をかけダイヤモンドに変換させる「直接変換法」、鉄やニッケルなどの炭素を大量に融解する金属のなかにダイヤモンドを析出させる「融剤法」があります。
 高圧・高温法は、HPHT~High Pressure High Temperature~と呼ばれています。
 低圧法は、メタンなどの炭素を含むガスを原料とした1気圧以下でのダイヤモンドの合成法です。気相合成法は、CVD~Chemical Vapor Deposition~とも呼ばれています。
3.HPHT処理ダイヤモンド
 HPHT処理ダイヤモンドは、ダイヤモンドを合成する高温(High Pressure)高圧(High Temperature)発生装置を使い、TypeⅡa のブラウン系の天然ダイヤモンドを無色やほぼ無色にする「GE POL」ダイヤモンド、TypeⅠa のブラウン系のダイヤモンドをイエローイッシュグリーンやグリーニシュイエローにする「NOVAダイヤモンド」が市場に出てきて話題になっています。Ⅰ型、Ⅱ型というのは、窒素含有がⅠ型、ほとんど窒素が含有していないのがⅡ型と考えてください。Ⅰ型のなかで、窒素が集合状態にあるのがⅠa型、窒素が拡散しているのがⅠb型となります。実質的に窒素をほとんど含有しないⅡ型も、最も純粋なタイプをⅡa型、不純物として硼素を含有するタイプをⅡb型と分類しています。ダイヤモンドはこの4つのタイプに分類されます。
 また、それらの処理ダイヤモンドは、全てではありませんが内部特徴(グラファイトインクルージョンなど)を持っています。また、両社のダイヤモンドには、ガードル部にレーザー刻印が施されています。
 参考:「GE POL」は、ゼネラル・エレクトリックのGEとラザール・キャプラン・インターナショナル(LKI)の子会社でペガサス・オーバーシーズ・リミテッドのPOLを組み合わせた名称。
    「NOVAダイヤモンド」は、ユタ州に本拠を構えるノバテクの子会社の名称。
4.最新の合成ダイヤモンド情報と問題点
 ジェメシス社は、HPHT法でキャラットサイズの宝石等級やファンシーカラーのインテンスやヴィヴィトイエローのダイヤモンドを商業ベースに生産し始めました。1平方センチあたり約85万ポンドの圧力と摂氏1600度の高温で3日半をかけて生成します。容器に入れる中心になるものは、三つあります。黒鉛(炭素の元)、金属媒体、ダイヤモンドのシード(種)でシードは天然でも人造でもかまいません。
  これからは、合成ダイヤモンドが天然ダイヤモンドに競争をしかけてくる、という構図になってきます。商業ベースで天然ダイヤモンドより安い価格で大量に売り出すことに成功すれば、天然ダイヤモンドの価格低下を引き起こし、ダイヤモンド業界に打撃を与えることになります。
 さらに心配することは、鑑別機関でこれらのダイヤモンドが合成ダイヤモンドと鑑別できなければ、天然ダイヤモンドとの区別が出来なくなり、天然ダイヤモンドとして高価な価格で流通することになります。
 GIAやその他の鑑別・鑑定機関の基礎研究や、鑑別テクノロジーは最先端にあります。しかし、いままでもそうであったように、合成テクニックと鑑別技術のいたちごっこは避けることは出来ません。


以上、転載。


続く。

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