宝生家の宝食なる日々〜第2話 ヒカルとメレ・ダイヤモンド(2-12)
「理恵さん、やっと終わりました」
ヒカルはちょっと力なく返事をした。集中してメレのアソートしていたので、さすがに疲れたのか、両手を伸ばしながらひとつ大きく深呼吸をした。
ヒカルは、アソートしたメレ・ダイヤモンドユニパックにスコップに分けいれ、ロット番号と枝番をふっている。ジェムクラフトで使えるもの、使えないもの、そしてボーダーのものの三つだ。それぞれに仮の枝番をユニパックに書きこんだ。
この後、北条理恵がアソートの練習をするためにヒカルは三つのロットに分けている。理恵は、ジュエリーコーディネーター1級の資格をもっているが、まだまだ素材の良し悪しについては、ヒカルに及ばない。
理恵は、物事に対して貪欲だ。ただ、興味のないものには、さらりとしている。美容部員としてトップの成績をおさめてきたのも、知識や技術の習得に貪欲で、ひと一倍負けず嫌いの性格による。
ヒカルは、事務所の隣のキッチンで、ランチボックスからサンドイッチをお皿にもり、ブラックコーヒーをいれた。
続く。
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