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宝生家の宝食なる日々〜第2話 ヒカルとメレ・ダイヤモンド(2-11)

ヒカルは、今インドメレの50パー(per)のロットと格闘中だ。「パー(per)」とは、ほぼ均一化の重さのメレの1カラット当たりの個数をいう業界符丁で、50パーのロットは、1ピース当たり平均0.02カラットのロットのこと。

ヒカルは、ある一定のテンポで、メレを選り分けている。ただ、少しその手がとまるときがある。ジェムクラフトの基準に合致するかリジェクションすべきか悩むピースに当たったときだ。

ヒカルは、ソーティングパットに大きく三つの円を書いている。品質上問題のないもの、落ちるもの、あともう一つは、どちらか迷うものの三つ。そこに、ルーペで検品したメレをおいて「山」を作っていく。

ボーダーラインに引っかかる石は、そのロットのアソートをやり終えた後、もう一度時間をかけて検品する。

三つに分けたほうが効率的だし、作業にテンポがでる。作業には、リズム、テンポが必要。そう教えたのは、父の仁(ひとし)。

バンコクメレは、インドメレよりかなり割高だが、上質のメレがロットで揃う。インドメレのトップクラスのロットは、バンコクものに劣らないと言われてきた。しかし、ジェムクラフトは、メレに対して妥協しない。

特に、プラチナやホワイトゴールドの製品には、色、キズ、カットの上質のメレを使う。脇石(サイドストーン)の良し悪しで、製品全体の完成度が決まるからだ。

「ヒカルちゃん、もう12時半よ」
昼休憩をなかなかとらないヒカルを心配した北条理恵が呼びにきた。

続く。

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