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宝生家の宝食なる日々〜第2話 ヒカルとメレ・ダイヤモンド(2-10)

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「ヒカルちゃん、12時過ぎたから、そろそろお昼にしてくださいね」
ジェムクラフトの社長浅見透は、真剣に机に向かっている宝生ヒカルに声をかけた。

「ハイ、わかりました。このロットのアソートをやっつけたらお昼にします」
ヒカルは、呼びかけた浅見に振り返ることなく机にかじりついたまま応えた。

今、ヒカルは、メレ・ダイヤモンドのクラリティーとメイク(カット)のアソート作業に真剣だ。

ソーティングパットにほぼ半円に伸ばしたメレをピンセットで1ピースずつピックアップし、宝石用の10倍ルーペでダイヤのクラリティーとカットを検品し、基準に合わないメレをリジェクションしている。

右肘を机の角に固定。利き目の右眼近くにルーペを持っていき、薬指と中指の間にメレを挟んだところでルーペの焦点が合うようにしている。

「イチ」でダイヤをピンセットで掴み、「ニイ」でクラリティーとカットを判別、「サン」でダイヤをソーティングパットの所定の場所に置く。

ヒカルは、その作業をリズミカルにおこなっている。

このロットは、高級品の脇石に使うもので、クラリティーは、VS2-SI1まで、カットはGoodまでが合格で、その基準より落ちるメレをはじいていく。

ヒカルは、学生時代、御徒町にあった父仁(ひとし)の事務所でダイヤモンド、材料ものの色石のアソート作業のアルバイトをしていた。ヒカルのアソートは、仁仕込みだ。

続く。

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ジュエリーコーディネーター機関誌

一般社団法人日本ジュエリー協会認定 ジュエリーコーディネーター機関誌、最新号「ジュエリーコーディネーター 2013 62号」を拝見しました。

巻頭インタビューは、6月に新たにJJA会長に就任された丸山 朝(はやし)氏を迎えて。主な内容は、メイド・イン・ジャパンを担うジュエリーコーディネーターの役割りと期待について。

露木 宏氏による連載「近世日本の宝飾文化史」は、江戸時代末期(幕末)開国前夜の和・洋の装身具(19世紀中頃)その2。

8/27〜8/29に東京ビックサイトで開催された「JJA2013」について、「眼で見るジャパンジュエリーフェア2013」と評し多くの写真が掲載されています。

渥美 郁男氏の特別寄稿「温故知新 宝石産地を訪ねて」は、「スリランカ 3」。スリランカ産のサファイアの加熱処理について言及。

その他の内容として、JJAセミナーレポートなどがあります。

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服部ビオパーク夜明け前三景

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宝生家の宝食なる日々〜第2話 ヒカルとメレ・ダイヤモンド(2-9)

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写真撮影及びデータ提供 (株)インタージェム会長 佐藤 郁雄氏

閑話休題
〜ターセル・ペーパー用ペーパーウエイト〜

筆者が仙台のジュエリーサロン会長佐藤氏にスコップの写真提供をお願いしたところ、スコップ(ダイヤモンド・シャベル)とともに送られてきた写真のひとつに見たこともないモノが、、、。

コレは、一体なに?

疑問に思った私は、さっそく佐藤氏に電話。

佐藤さん、ターセル・ペーパーの上に乗っかっている四角いモノは一体なんですか?

あっ、アレね。佐藤氏が、スマホに耳を当てながら、少しほくそ笑んでいるように感じた。やはり、聞いてきたか、と内心ニヤリとしたと思うのは穿ちすぎか。筆者の勝手な想像。

アレは、ターセル・ペーパー用のペーパーウエイト。「Rubin&son」社の現在非売品とか。確かに、写真をルーペで拡大してみると「Rubin&son」の刻印が見える。

そういえば、スコップも通常のものと違い、形がおしゃれだ。持ち手も付いている。

いやー、珍しいものをお持ちですね、と筆者。

あれは、私の個人コレクション。収集癖が災いしてね、と佐藤氏。

ちなみに、ターセル・ペーパー用ペーパーウエイトは、ターセルがくるっと巻き戻るのを防ぐための道具。一辺の長さが約12センチ。

「Rubin&son」サイトを丹念にチェックしてみたが、写真が一枚あっただけで、販売はしていない模様。

ともかく、貴重な道具を提供していただいた佐藤氏に、感謝申し上げる。

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大阪空港三景

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