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宝生家の宝食なる日々〜第2話 ヒカルとメレ・ダイヤモンド(2-8)

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写真は、デイライト。撮影及び画像データ提供:(株)インタージェム

北条理恵は、毎週水曜日、サロンに出社するとエントランスに飾る花をいけるために奥の事務所にある炊事場にいって作業をする。

「おはよう、ヒカルちゃん。ジュエリーコーディネーター3級、一発合格したそうね。おめでとう」

「おはようございます。理恵さんのアドバイスがよかったからですよ。ありがとうございます」

ヒカルは、ダイヤモンド・メレのアソート作業の手をとめて、にっこり笑った。ヒカルは、今インド・メレのカラーをチェックしている。

ソーティングパットに広げたダイヤモンド・メレをスコップで適量すくい、無蛍光紙でできたダイヤモンド・カラーグレイダーの溝に注ぎ入れ、「デイライト」の光のそばに持っていく。

ピンセットでメレを溝に広げながら、色をチェックしていく。ジェムクラフトでは、メレのカラーは、カラーグレードの「H」アップを使用するのが社内基準。

この時、ダイヤモンドの鑑定機関のように、カラーグレード用のマスターストーン(付け石)は、使わない。目で覚えている「H」カラーと比較している。

デイライトは、ダイヤモンドやカラーストーンの色の判別に使用するジェムライト。自然光に近い光を発する。

ヒカルは、「H」カラーより落ちると思うメレを手際よくピンセットてつまみ、ソーティングパットの一箇所に集めていく。「H」アップのメレもひとまとめにしている。

この作業を繰り返して行なう。通常、カラーの判定は、午前中に行ったほうがいいとジュエリー業界では言われている。カラーの判定は、午前中11時ごろ北側の窓からの採光のもとでやるのが最適とされているからか?目が疲れていない午前中にやったほうが賢明なのは確か。

続く。

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