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宝生家の宝食なる日々〜第2話 ヒカルとメレ・ダイヤモンド(2-7)

「おはようございます」よく通るきれいな声だ。北条理恵が出勤してきた。時計は、9時45分をさしている。彼女は、水曜日から日曜日まで午前10時から午後7時までジェムクラフトでパートタイムで働いている。

いつも判で押したように、拘束時間の15分前に出勤してくる。北条理恵は、接客、販売のスペシャリストで、難関の「ジュエリーコーディネーター1級」に合格している。ただ、ジェムクラフトには、時給制で働いている。ジェムクラフトのオーナー浅見透は、彼女と「時給1000円」で契約している。

理恵は、月曜と火曜日、自宅マンションで「お花」を教えている。

実は、北条理恵は、ヒカルの母、宝生麗子の友人だ。麗子も理恵ももともとは、化粧品メーカーのいわゆる美容部員だったのである。麗子と理恵は、同じ会社の同期入社で、理恵は数年で会社のトップセールスになった。麗子は、ランクとしては、中の上あたりでいつもウロウロしていた。麗子は、理恵の頑張りに触発され、一時は仕事に張り切るのだが、それが長続きしなかった。

理恵は、トップセールスとして、銀座の百貨店に配属された。その百貨店は、化粧品が売れる店として有名で、各化粧品メーカーは、それぞれトップクラスの人材を配置している激戦区だ。

麗子と理恵は、銀座でよく落ち合い、仕事や会社の不満をサカナによく飲んだものだ。二人ともアルコールに強いタイプで、いくら飲んでも顔に出ない。

続く。

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