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家業か、族業か

日本の同族会社で、中小・零細企業は、社長に息子、あるいは娘がいれば、社業を引き継ぐのが通例となります。ひとり娘なら、娘婿が社長になることもあります。


海外に買い付けにいったとき、100年以上続いている宝飾企業は、必ずしも社長の息子が会社を継承するわけではないと聞かされました。華僑、印僑、ユダヤ人の経営する会社の幹部は、一族朗等で占められています。ただし、そのなかで、競争は熾烈です。一族の幹部候補生は、海外の企業に修行に出され、何年も帰ってこれないらしい。修行先で、能力が開花せず、実績が残せない場合は、一生帰ってこれないこともある、とある幹部は言っていました。


彼らの会社は、まさに「族業」であり、その会社には一族朗等とその家族の生活と将来がかかっています。それだけに、会社の命運を左右する社長の人選には相当な神経を使っています。


それに引き換え、日本の宝飾企業は、後継者の人選、育成には甘さがみられます。言い方を替えれば、どんな「ドラ息子」「あほぼん」でも専務になれ、ゆくゆくは社長になってしまうのです。


戦後、バブル期まで発展してきた日本の宝飾企業。創業者から、二代目、三代目に会社は引き継がれていますが、大きく業績を落とすなか、極端に縮小する、銀行指導のもと経営権の返上などオーナー企業の末路は悲惨です。特に、宝石輸入・卸企業は、それが顕著です。


そのような環境において、踏ん張っているのは、新しくこの業界に入ってきた、バブル期以降に創業した若手たちです。


新しいスタイルと斬新なアイデアで、この膠着した現状を打破、ブレイクスルーしてもらいたいものです。

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