「らしさの宝石店」
海外ジュエリーブランドショップの攻勢のなか、日本の宝石店は旧態依然とした経営を続けているところが体勢を占めています。街の時計・眼鏡・宝飾の兼業店のなかには、店が老朽化、店主が高齢化し、ただ日々お店を開けているだけといったものも多いのが実態です。
そのようななか、アイデアを絞り、独自のスタイルで頑張っている宝石専門店があります。いままで取材した宝石店を分析、分類してみますと、地元に根ざした「かかりつけの宝石店」、宝石愛好家に愛されている「御用達の宝石店」が浮かび上がってきます。
以前から、宝石専門店として重要なことは「らしさの追求」だとブログで提唱してきました。「らしさの追求」により「ならではの商品、サービス」が生まれるのです。ここのところ宝石店を取材して感じていることは、宝石という素材の特徴、特性を理解し、洋菓子でいう「パティシエ」的な存在の工房ジュエリー店がこの逆風のなか健闘していることです。
洋菓子の世界では、「不二家」「コロンバン」などのチェーン店があり、パンメーカーが作っているケーキがあります。街のコンビニに行きましても、シュークリームや季節のスイーツが店頭を飾っています。海外の洋菓子店で修行して独立したり、国内の有名店で腕を磨き独立したパティスリーが独自のスイーツを販売し、業績を伸ばしています。その背景に、日本でも洋菓子を当たり前に食べる習慣が定着し、既存のありきたりのケーキでは飽き足らない「口の肥えた」スイーツファンが増えたことがあげられます。
ジュエリーを取り巻く販売環境も、同じようなことがいえます。既存の大型チェーン店は同質化し、同じようなテイストのジュエリーが並んでいます。看板をすげ替えても、どこのブランド店かさっぱり分からない店が百貨店、ショッピングモールなどに出店しています。現在は、そういうチェーン店の売上が、日本の小売販売額を支えているわけですが、百貨店のリニューアルを見てもわかるように、同質化したチェーン店がこの先伸びる可能性は低いと思います。
これからは、ジュエリーパティシエがいる「らしさの宝石店」が伸びると思います。「らしさの宝石店」には、センスの光るジュエリーをセレクトし、独自の催事を展開しているお店も含まれるでしょう。
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コメント
Sayaさん、初めてのコメントありがとうございます。どちらのお店がいいかどうかより、お気に入りのジュエリーを第六感を大切に買うことが重要だと・・・。
投稿: 仁醒 | 2011/01/11 11:43
初めまして♪
何かいろいろ検索してたら、このサイトに出会いました★
伊丹のイオンによく行かれるのですか?
私は、近くに住んでるのでよく行きますー♪
ツツミとグラヴィの1億円福袋スゴイですよねー。
あんなの誰が買うのやら・・・笑
よく宝石店に行かれるのですか?
私、最近ネックレスとかに興味を持ちだしてっ☆
ちなみに、ツツミとグラヴィだったら、どっちがいいの置いてますかね~?(ーωー)ウーン
投稿: Saya | 2011/01/11 02:00