日本でデビアスが盛んにダイヤモンド婚約リングのプロモーションを始めて以来、急速にダイヤモンドジュエリーが売れるようになりました。
スイートテン、テニスブレスレット、エタニティーリングなどの企画がヒットし、ダイヤモンドジュエリーは宝石店のマストアイテムになりました。
4Cが普及し、メレーのような材料モノ以外のダイヤモンドラウンドブリリアントは、ほとんどが紙付き(ソーティング付き)で流通するようになり、ある意味、誰でも扱える商材になりました。
バブル時期、景気の押し上げも手伝って、業界規模は3兆円を超えるほどに成長しました。ダイヤモンドジュエリーは、その成長に大きく寄与しました。
反面、日本の宝石商、宝石店は、「ダイヤモンドの呪縛」に取り憑かれ、没落の一途を辿ることになるのです。
ダイヤモンドが売れるとなると、大手時計メーカーや真珠養殖卸がダイヤモンドを取り扱うようになり、商社がダイヤモンドジュエリーを流通させるようになりました。
百貨店やショッピングモールなど全国展開している大手小売店チェーンのなかには、看板は、宝石店でも、内容は、ダイヤモンドジュエリーショップと見紛う店舗が多いものです。
流通の川上では、数パーセントの利益を稼ぐために、長期サイトの手形取引を繰り返し、企業体力を消耗させてきました。
末端では、4C評価による価格競争の渦のなかにはまり込んでいます。
そんななか、少数派ではありますが、ダイヤモンドジュエリーを店に置かないで色石のみで勝負し成功している小売店があります。
このブログで言ってきましたが、宝石専門店でありながら、お店にほとんどダイヤモンドジュエリーが並んでいるのは、フルーツ専門店にイチゴばかりあるのと変わりないのです。
専門店としては、ありえないことです。
リニューアルした阪急うめだ店から、中途半端なダイヤモンドライトジュエリーショップが淘汰されていくやうに、「ダイヤモンドの呪縛」からとき離れない店舗の将来は危ういと言っていいでしょう。
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