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ティファニー 「The Wedding Book」に見る、4Cを越えたダイヤモンドの基準とは・・・

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左より「The Wedding Book」 「A Wedding Thank You」

 「The Wedding Book」は、ティファニーのダイヤモンドエンゲージリング・マリッジリング(最終ページのみウォッチ)、「A Wedding Thank You」が結婚式の引き出物のブックレット。

 「The Wedding Book」の最終ページに以下のような文章が記載されています。

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 より厳しいダイヤモンドの基準

 よく知られている簡単な4C(カット、カラー、クラリティー、カラット)は、ダイヤモンドの最高の美しさを見極めるのに十分なものではありません。ティファニーの宝石研究室は、その範囲を広げ、より厳しく追求する検査基準を使用しています。

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 では、ティファニーのいう、ダイヤモンド4C以外の基準は、何なのか。早速、Webサイトをチェックしてみました。

 Webサイトの「A Tiffany Diamond」は、4つの項目から成り立っています。

The Best There Is

より美しく輝くために、より厳しく 4C

倫理的な資源の確保

ティファニーの約束

 その中の「より美しく輝くために、より厳しく 4C」には、“プレゼンス(存在感)”という基準が追加されています。

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ティファニー独自の基準

ティファニーには、一般的な4Cの枠を越える、もうひとつの重要な品質基準があります。“プレゼンス(存在感)”とティファニーが総称するこの基準は、カットの正確さ、対称性、ポリッシュ(研磨)などの要素で構成されています。それぞれが独自に、また互いに関連しあって、白い輝きや虹色の光、強いきらめきを生み出すとともに、ダイヤモンド全体の美しさに影響を与えるのです。

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 しかし、“プレゼンス(存在感)”とティファニーが総称するこの基準のうち、「対称性(シンメトリー)」「ポリッシュ(研磨)」は、GIA基準の4Cのカットの項目で鑑定されているので、それだけではティファニー独自の基準とは言いがたいと思います。それら以外の「カットの正確さ」だけでは、独自性は弱いでしょう。

 そこで、他の項目をあたってみました。「The Best There Is」の項に、「美しさのメカニズム」に次のような説明があります。

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美しさのメカニズム

“光の透過”

ティファニーのダイヤモンドは、極めて単純化された4C以外に多くの要素を満たすことによって、より優れた美しさを放ちます。ティファニーが扱うもの、認めないもの、その理由を紹介します。ティファニーのより厳しい基準が、すべての違いを生み出すのです。

クラウンのファセットを通って、光がダイヤモンドの中に入ると、パビリオンに正確に配置されたファセットが瞬時に光を反射。完璧なハーモニーを奏でながら、遠く離れたところからでも目を惹きつけるほどの燃え立つ炎のような光がクラウンから放たれます。

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 ここでいう、「透過性」「(遠く離れたところからでも目を惹きつけるほどの)燃え立つ炎のような光」を持つダイヤモンドこそが、ティファニーのいう「プレゼンス(存在感)」のあるダイヤモンドといえるかも知れません。

 さて、長年、ダイヤモンドを扱ってきた宝石商であれば、ダイヤモンドには、4C以外の美しさの基準があることは知っているはずです。ただ、長年の経験からくる基準を論理的にしかもわかりやすくユーザーに説明するのは非常に難しいことです。ティファニーのいう“プレゼンス(存在感)”においても、ユーザーに的確に説明できているとは言いがたいものがあります。

 しかし、あえてそこにチェレンジすることで、ショップ独自の価値基準が生まれ、価格競争から脱却できるひとつの方策が見つかるのではないかと思います。

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