観光系大学と宝飾専門学校
観光系大学とは、ホテルでの接客や海外旅行の添乗員など、観光に関連する人材を育成する学部・学科を持つ大学の総称。平成15年に始まった「ビジット・ジャパン・キャンペーン」など、政府の観光立国推進を背景に、外国人観光客の増加、観光業界の雇用拡大が見込まれることから、観光系の学部・学科が相次いで新設されました。
昭和42年、立教大学が観光学科を新設したのが始まり。
国土交通省が平成16~18年に観光系学部・学科を卒業した学生に行った進路調査では、旅行業が8%、宿泊業7%、旅客鉄道業が5%。観光業界全体でも23%という寂しい結果に終わっています。観光庁が観光関連企業を対象に「求める人材像」を調査したところ、管理職・リーダーとしての素質・適正、どの部門にも対応できる基礎能力、社会人としての常識マナー、などの回答が多く、「経営全般について」学んでほしいというニーズが多いようです。
しかし、国内の観光系学部・学科でのカリキュラムは、歴史、政治、地理などの社会科学系分野を重要視していて、経営に関しては軽くふれる程度に終わっています。かたや、卒業生の約半分が観光業界に就職する米コーネル大学では、カリキュラムの66.7%を経営分野に割いています。
日本の観光系学部・学科の授業は、高校生程度の地理・歴史か、もしくは、その延長程度に終わっていてとても総合力のある人材を育成していないようです。業界とのギャップを埋めるべく、観光庁は昨年11月、ワーキンググループを立ち上げ、今年度末をめどに、観光業界の就職につながるカリキュラムに着手しました。
さて、宝飾業界においても、業界から求められている人材像を的確に把握し、専門学校での授業を変えていく柔軟性が求められていると思います。
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