「かかりつけの宝石店」「御用達の宝石店」~ ジュエリー専門店の目指す道
海外ジュエリーブランドショップの日本での売上が頭打ちになってきた、という統計データが発表になりました。日本のジュエリー業者は、やっと海外ブランドの攻勢が止まってきたと安堵しています。
果たして、そう楽観的になっていいものでしょうか。海外中堅ブランドジュエリーの攻勢は始まったばかりです。海外ブランドの攻勢は、第2の波、第3の波となってやってきます。
ここ数年来、日本のジュエリー卸会社は、積極的にイタリアなどからブランドジュエリーを輸入しています。これでは、ますます国内のジュエリーメーカーの空洞化に拍車をかけるだけです。
日本の消費者のブランド志向は根強いものです。団塊の世代、団塊ジュニア、プチセレブといった日本の消費を引っ張る世代層のブランド信仰は、深く浸透しています。
では、海外ブランドジュエリーに対抗する処方箋、戦略はあるのでしょうか。
ブログ「宝石月夜ばなし」の熱心な読者であれば、その答えはだいたい推察はついていることでしょう。
戦略のキーワードは、「かかりつけの宝石店」「御用達の宝石店」であり、「ジュエリーソムリエ」です。
相談のできる店作りと相談できるジュエラーの育成です。一等地に店を構えることやブランド商品で店を固めることのアドバンテージは、これからは少なくなります。
銀座を歩いてみてわかることですが、目抜き通り以外は、案外人通りが少ないのが現状です。一元客を多く取り込もうとするために、巨額の保証金をつみ、一等地に出店できるのは、一部の企業に限られています。「かかりつけの宝石店」をめざすなら、一等地は必要ありません。
海外のジュエリー業界展で仕入れた中堅メーカーのブランドジュエリーをお店に並べてみても、ティファニー、カルティエ、ブルガリに比べると、ブランド力に大きな差があり、集客効果は見込めません。
「かかつけの宝石店」「御用達の宝石店」を目指すのであれば、場所、商品に資金を費やすのではなく、ノウハウの蓄積のために資本を投入すべきです。
ユーザーから信頼される「かかりつけの宝石店」「御用達の宝石店」であれば、海外ブランドジュエリーショップばかりではなく、同業他店に勝てるお店になれると信じています。
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