「ホープ・ダイヤモンド」の正体は、ルイ14世の「ブルーダイヤモンド」
仏国立自然史博物館が18日、米スミソニアン協会(ワシントン)所蔵の「ホープ・ダイヤモンド」が、フランス革命の混乱のさなかに盗まれた太陽王ルイ14世の「ブルーダイヤモンド」をカットした物だったことが確認された、と発表しました。
スミソニアン側も2005年、「ブルーダイヤモンド」のスケッチを基に「同一のものとみられる」との結論を出しており、双方で同じ結論に達したことになります。
ホープ・ダイヤモンドは、交通事故などの災難が持ち主に降りかかったと言い伝えられ、「のろいの宝石」として知られています。
山口遼著「ダイヤモンドの謎 永遠の輝きに魅入られた人々」によりますと、このホープ・ダイヤモンドの由来について有力説は、こうです。
タブルニエがインドで購入しルイ14世に1668年に売った「フレンチ・ブルー」と呼ばれるダイヤモンドが始まりで、1673年に王の命令により三角形にリカットされ、約67カラットのダイヤモンドになりました。その後、1792年にフランス王室宝物庫の襲撃、強奪事件で盗まれて、行方不明になりました。
このフレンチ・ブルーの正体を隠して売却するために、強奪犯のひとりがロンドンで2つにカットして、その大きいほうがホープダイヤモンドとなった、という説です。その後、ロンドンのホープ一族に買い取られ、数人の業者を経て、1910年にカルティエが買い取りました。1912年、カルティエから買ったのが、アメリカのマクリーン夫妻で、1949年にハリー・ウィンストンが買い取り、1958年にスミソニアン自然博物館に寄贈しています。
山口遼著「ダイヤモンドの謎」では、このホープ・ダイヤモンドの「のろいの宝石」の伝説は、カルティエがマクリーン夫妻に売り込む際が発端としています。
なにかと、いわく因縁がつきまとうホープ・ダイヤモンドは、通説どおり「ブルーダイヤモンド(フレンチ・ブルー)」をリカットしたものであった、ということで一件落着ですね。
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