ダイヤモンド企業の広告戦略について
広告の機能は、主に三つあります。告知機能、販売促進機能、ブランド強化機能です。今、一番問われているのが、広告のブランド強化機能です。
かつて、デビアスは、日本でダイヤモンド・エンゲージリングの販売促進で、TV、新聞、雑誌、映画館などで「婚約指輪は、給料の三ヶ月分」というキャンペーンを展開して大成功しました。最近では、ダイヤモンドを3個使ったスリーストーン・ダイヤモンド・ジュエリーを「トリロジー」として広告宣伝しました。
ジュエリー業界関係者であれば、かつてのデビアスや、DTCがどういう存在であるか理解していますが、一般には、あたかもデビアスやDTCというメーカーがあるような印象を与える結果になりました。PGI(プラチナギルドインターナショナル)しかりです。
日本では、広告主といえば、メーカーが一般的です。いわゆる企業広告です。販売促進機関の名前が広告に乗っかることはまず考えられないのです。
デビアスやDTC、あるいは、PGIは、かつては、純粋に販促機関として機能していました。しかし、ダイヤモンド業界は、デビアスDTCのサプライヤー・オブ・チョイス(SOC)への戦略転換で、大きくその機能や役割りが変わってきました。
デビアスは、世界の主要都市で小売り展開をし、ダイヤモンドジュエリーにおいて「デビアス」ブランドをユーザーに定着させようとしています。
過去、日本のジュエリーメーカーや卸業者は、デビアスの広告戦略に乗っかっていればよかったのです。デビアスの恩恵によって、ダイヤモンド・エンゲージリングやダイヤモンドジュエリーは、業界にとって主要な販売アイテムに育ってきました。
しかし、DTCは、サイトホルダーのマーケティング戦略の指導をし、販売力のある小売店とタイアップした広告に転換しています。日本のジュエリーメーカーや卸会社は、自らマーケティング戦略を練り、広告を打っていかなければ、その存在価値はなくなってしまいます。
日本のダイヤモンドディーラーが、いままで販売促進機関の名前のもと、広告を打ってきたことが、異常であったことは否めないでしょう。日本のメーカー・卸会社がもたもたしている間に、ティファニー、ブルガリ、カルティエをはじめとした海外ブランドジュエリーショップは、自社の広告を着々と展開し、ブライダル市場のシェアを獲得してきました。
これからは、企業のブランドを高め、その過程で、自社の開発したブランド商品を展開するという本来あるべき広告戦略を積極的にすすめていく宝飾企業、特に、ダイヤモンド販売業者が生き残っていくことでしょう。
| 固定リンク
「マーケティング」カテゴリの記事
- ドーナツ戦線に異常あり?(2018.05.18)
- 若者のジュエリー離れに思う(2018.05.17)
- 珈琲道一直線〜こだわりのコーヒー探しの旅〜(2012.05.13)
- Yoshitomo というブランド(2012.04.24)
- 珈琲道一直線(2011.11.07)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント