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総合商社のレアメタル争奪戦

 レアメタルのひとつ、プラチナ。プラチナは、自動車の排ガス用触媒として利用されています。その必要量はガソリン車で1g、ディ-ゼル車で6g、ハイブリッド車で10g、水素エンジン車では、約20g必要といわれています。

 三菱商事の試算によると、20年代には技術革新や地球温暖化防止対策を理由に、世界の自動車の半数が電気自動車(EV)にシフトすると予想しています。この次世代EV車普及のカギを握るのが、リチウムイオン電池の開発であり、その材料となるレアメタルのリチウムの安定確保です。三菱グループの三菱自動車の再建の切り札が、2009年に市場投入するEV「i MiEV(アイミーヴ)」ですので、リチウムの供給、権益確保に奔走しているのです。

 三井物産は、中国などの資源囲い込みで価格が高騰した「レアメタル・パニック」により、取引先から「安定した価格で供給できないか」という要望を受け、07年8月に専門部門を立ち上げています。特に、レアアース(希土類)のランタン、セリウムはトヨタ自動車の「プリウス」などハイブリット車に使われますが、その供給を牛耳るのが中国で、レアアースの市場占有率は、98%です。

 中国政府は、国内需要を優先し、レアアースの事実上の輸入規制に動き、資源の国家管理を強化しています。

 日本は、資源小国なのでレアメタル確保には政府も総合商社を支援する体制を強化しています。

 大手商社の主なレアメタル事業(フジサンケイ ビジネスアイより)は、下記の通りです。

三菱商事: 2006年に専門部署設置、プラチナ、コバルトなどの取引を実施。権益参画も狙う。

三井物産: フィリピンや仏領ニューカレドニアでニッケル、コバルトの権益を保有。

住友商事: 2006年に中国で合弁でタングステン生産開始。マダカスカルで世界最大のニッケル、コバルト権益やマンガンを生産する南アの権益を持つ。

伊藤忠商事: プラチナ権益の獲得を目指し、4月に専門部署新設。

丸紅: クロム、マンガンの取引に加え、権益確保模索。

豊田通商: 権益取得やリサイクルを推進。

双日: 3月にカナダのモリブデン鉱山権益に対し追加出資。2007年にポルトガルのタングステン鉱山の権益100%を取得。

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