「脱・百貨店」 レナウン・三陽商会
個人消費が落ち込むなか、業績予想を下方修正するアパレルメーカーが相次いでいます。売上高の7~8割を占める主力の百貨店向けの衣料品が落ち込んでいるためです。
レナウンは15日、2009年2月期の連結最終赤字を70億円に下方修正。売上の4分の3を占める百貨店向けの不振などで、赤字幅は当初見込みより41億円も膨らむという。赤字幅の拡大に対する危機から、今年度中の16ブランド削減に加え、400人のリストラ、英高級ブランド「アクアスキュータム」と自社ビルの売却を決定。
三陽商会も業績回復のてこ入れとして、自社ブランド「SANYOコート」のデザイナーを戦後初めて外部から起用するなどの取り組みを開始。
オンワードホールディングは、分散していたブランド戦略を「23区」「組曲」など主力4ブランドに集中。
主要販路の百貨店は、経営統合による規模の拡大が進み、これまで以上に取引条件が厳しくなる可能性があり、アパレル各社が得意としてきた1万~3万円台の中級価格帯から低価格帯の商品構成に移行していて、ますます売上が減る懸念があります。
「脱・百貨店」を考えてみたものの、郊外型ショッピングモールは、すでにユニクロなど低価格帯を武器に売上を伸ばしているブランドが進出しており、いまから勝負するには「時すでに遅し」でしょう。
財務体質の良いオンワード以外は、欧州を中心とした海外に活路を見出すのは厳しいようです。まさに「四面楚歌」。
百貨店卸と展示販売を主体としてきた宝飾大手卸、メーカーは、このようなアパレル業界の状況を「対岸の火事」として安閑と眺めているわけにはいかないでしょう。
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