日本ジュエリー業界の未来予想図
日本のジュエリー業界は、今まさに岐路に立たされています。このまま坂道をころがるように落ちていくのか、あるいは、落ちるところまで落ちたので、底を打って反転上昇するのか・・・。
競争相手は、海外の有名ブランドショップだけで収まらず、イタリア、スペイン、フランスのヨーロッパ組に加え、香港、中国、バンコク、シンガポール、インドなどアジアのジュエリーメーカーがいままで以上に参入し、競争は苛烈なものとなるでしょう。
さらに、小売業態に外資の参入があり、業界を震撼させています。
しかし、業界を見渡してみますと、そういう状況に対し、緊張感がない会社が多すぎると感じます。
加工業者、職人さんも年々廃業していくばかりです。御徒町の加工仕事の約7割は、韓国系の会社に流れています。
まさに、大田区や墨田区で起こった中小、零細下請け企業の倒産、廃業による空洞化と同じ現象です。
日本のジュエリーメーカーの未来を予想し、人に話すとき、私がよく引き合いに出す業界は、日本のかばん製造メーカーとその業界です。私が生まれ育った昭和30年代は、商店街に必ず一軒かばん屋さんがありました。百貨店の売り場には、日本製のかばんがあふれていました。
風呂敷から布製、皮製のかばんに移行していった時代だったのでしょう。
高度成長時代を経て、ヴィトンを中心にヨーロッパのかばんを若者が持つようになり、日本のかばん業界の中小メーカーは衰退し、今残っているかばん製造メーカーは数えるほどに減ってしまっています。
日本のジュエリーメーカーもそうなってしまわないか心配です。
では、日本のジュエリー業界の崩壊を食い止める方法はあるのでしょうか。 思い浮かぶ解決方法を列挙します。
1.分散した力を結集する
統合、ネットワーク化。
顕在化している現象
a)小売店連合~地方のジュエリー小売有力店のネットワーク化・情報の共有化
(例)トップ30ジュエラーズクラブ
ボランタリーチェーン~ジュエラーズ・ジャパン、日本ゴールドチェーン など
*課題は、ユーザーにいかに告知するか、認知度をどう上げるか。
b)卸会社の小売店ネットワーク
*課題は、リアル、バーチャルのネットワークシステムの構築、サプライヤーの充実
2.メイド・イン・ジャパンのブランド確立
キャンペーンという一過性の企画をやめ、通年企画を考える。でないと、ブランディングになりません。
3.日本でしか出来ない製作工法・技術開発
伝統工芸とハイテク・ナノテクの融合
異業種の伝統技法のジュエリー用途開発
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