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「ソムリエ/ワインコーディネーター」に学ぶ

 昨日の話題に関連して、以前まとめた文章を一部修正してブログに掲載します。

 

「新訂 ソムリエ・マニュアル 監修 右田圭司」という本があります。いわゆるソムリエ/ワインコーディネーターになるためのマニュアル本です。ページ数は索引まで含めて463まである分厚い本で、その内容は、ソムリエ/ワインコーディネーターに必要なこと、ワインの基礎知識、テイスティングについて、ワインのサービスについて、ワインの保存管理、料理の基礎知識まで多岐にわたります。

 社団法人 日本ソムリエ協会(JSA)のWebサイトは、下記のアドレスです。

 

http://www.sommelier.jp/

 「新訂 ソムリエ・マニュアル」の「ソムリエ/ワインコーディネーターに必要なこと」は、ジュエリーを販売するものの心得に通ずるものがありますので簡単に一部をご紹介します。

 「ソムリエ/ワインコーディネーターに必要な心構え」

 1.お客様の望まれるものを見抜く目を養うこと

 良い(おいしい)、悪い(まずい)を決める最大の要因は個人の嗜好です。ならば、そのお客様にとって何が一番良いものなのかを探ることが最重要なテーマとなり、洞察力を高めることが何事においても必要になるのです。

 「いつ飲んでも、誰が飲んでもおいしい酒」は、基本的に存在しないことを理解しなくてはなりません。

 2.ホスピタリティーにあふれていること

 消費者に最も近い所にいる提供者が 「ソムリエ/ワインコーディネーター」であります。お客様の気持ちを思いやり、意向を汲み取り、お客様に楽しんでいただくための演出を怠らず、どんなニーズにも応えようとする意識がなければ決してプロとは呼べません。包容力があり、部下の指導に優れ、人間関係の達人でもなければならないのです。

 3.ワインを始めとする飲料の特性と効果を理解すること

 物事の本質、すなわち商品の持つ特性と効果を理解することが必要です。特に健康志向の高いいま、酒類の心身に与える影響や効果を知ることの優先度は、相当高くなってきております。また、ワインだけの見解では全体像が決して見えてきません。全ての酒類に精通し、それぞれの特性を把握下上で、ワインの位置づけを知ることが大切なのです。ワインのみ、日本酒のみといった偏った見解で仕事ができる環境など、現実的にはほとんどありません。

 4.商品知識を身につけること

 酒税法、原料、醸造、保存管理、歴史などの商品に関する知識から、料理との組み合わせ等の提供方法の部分まで幅広い知識が求められます。しかし、知識があって当然のことで、あったからといって、それだけでは何にもなりません。暗記だけでは、ただの試験勉強に過ぎないのです。知識のない自分を恥じることはあっても、知識があることを自慢できることなどありえません。

 5.トレーニングを常に積んでいること

 サービスの提供努力、テイステイング能力などは、頭で理解したとしても、実践できるかどうかは別問題です。実践できるトレーニングを常に積んでいることが必要です。

 6.お客様に満足して頂ける正確な提供、理由のある提供(サービス)ができること

 お酒の特性を生かすも殺すも提供者の心掛け次第です(保存管理も含む)。その酒の特性を充分に活かした正確な提供が必要です。また、動作ひとつをとっても、目的を明確に理解して、必要に応じた提供(サービス)を実践することが大切です。サービス万流と言われるように、数多くのサービス方法が存在する中から、その状況を把握し最も適切な手段を選択することが肝要です。形にとらわれていては、質の高い提供はできません。

 7.ソムリエは愛好家でもマニアでもありません。ビジネスマンとしてもプロであるべきです

 マーケティングから飲料管理、商品管理能力、経営知識、並びにセールスプロモーションなどの企画力、プレゼンテーション能力まで備えていないと、本物のプロフェッショナルとは言えません。いくら「こだわり」を持ち、「思いいれ」「造詣」が深くとも、利益を上げられる能力を養わなければ趣味の世界を脱することはできません。

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 皆さん、お読みになっていかがでした?耳の痛い指摘ばかりです。販売、商品管理、マーケティング、社員・同僚の指導、利益を上げる経営にいたるまで事細かに書かれています。7つの項目にあえて付け加えるならば、「いかに集客するかを工夫する」でしょうか。我々は、そのための知識、技術の習得が必要です。

 「新訂 ソムリエ・マニュアル」の次の項目は、

「接客接偶論~消費者が望むものを見抜く目持っていますか」で、消費者とのトンチンカンな受け答えの例を挙げています。

Q:「日本酒って美容にいいんだって?」

A:「あっ、そうなんですか?」

 

Q:「この焼酎で梅酒作りたいんだけど、梅は売っていないの?作り方教えてよ」

A:「梅はちょっと置いてないですね、作り方ですか? さあ・・・」

 

Q:「今夜のおかずはハンバーグなんだけど、何か合うお酒を選んでもらえますか?

A:「それには、土壌の持つ特性が香気成分に反映された○○のワインが、クドクド・・・」

 

Q:「日本酒のこと、教えてほしいのですが」

A:「私、ソムリエですから、日本酒はチョット・・・」

 

Q:「ここに書いているピュアモルトって?

A:「しょ、少々お待ち下さい、オ、オーナー!」

 

 このような「無知」や「怠慢」または「ひとりよがりなマニアックな知識」を露呈する場面を見ることは、決して珍しくありません。

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 さて、以前、舞浜イクスピアリにある誰もが知っている日本の老舗宝飾店で、店頭正面に置いてあったメンズもの扇子と折りたたみ傘について、価格表示がなかったので、若い男性販売員に値段を聞くと、まさに「しょ、少々お待ち下さい」となり、奥のレジ裏までいき、他の販売員に聞きにいく始末。さらに、扇子の先がすぼまっていない(先が細くなっていない)ことを指摘し、「普通、扇子は先が細くなっているものなのですが・・・」というと、「へぇーー、そうなんですか」という答えがかえってきました。

 ショッピングモール内のナショナルチェーン店を定期的に訪れるのですが、平日の昼時など、商品在庫と現品の照らし合わせなのか、リスト表と商品をチェックすることに没頭している様子で、全く接客しようとする意思のない販売員をよく見ます。朝一の商品チェックなのでしょうか、「どうせこの時間に宝石なんか買うお客はこない」とでも思っているのでしょう。

 六本木ヒルズのジュエリーショップ開店間近に、昨日遅くまで飲んでいたのでしょうか、髪の毛がボサボサで大あくびを連発していた女性販売員を見たことがあります。ショップのチーフは注意しないのでしょうか。そういう女性を店頭に置く神経が分かりません。

 銀座にある有名ブランドショップの販売員と比較して、どう贔屓目に見ても、能力の差は歴然としています。

 能力の低下は、末端の販売員ばかりではありません。メーカー・卸の最前線のセールスマンも、ホテルの催事応援ばかりに借り出されるばかりで、ルート顧客であるジュエリー専門店に新商品を提案したり、お店の販売方法に対するアドバイスが全くといっていいほど出来ていません。

 宝飾業界は、川上、川下、上から下まで問題点ばかりです。


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