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CVD合成ダイヤモンド

 2004年より、CVD(化学気相法)による、合成ダイヤモンド、特に、宝石品質合成ダイヤモンドの完成についてジュエリー業界で問題にしてきました。それは、天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドの看破にかかわる問題が派生するからです。

 CVD法は、工業界では、工業用チップの基盤材料として注目されていた技術です。CVD法は、化学気相蒸着法と呼ばれているように、炭素元素を含むガス(水素に少量のメタンを加えたガス)を低圧化で化学反応をおこさせ、基板にダイヤモンドを蒸着させる方法です。

 ボストンにあるアポロダイヤモンド社は、2004年初頭より、宝石質のCVD合成ダイヤモンドの製造を始めました。アポロダイヤモンド社によりますと、宝石質CVD合成ダイヤモンドの製造は、当初年間5,000~10,000ctを目指し、その後生産量を増やす予定であるようです。

 日本の大手鑑定鑑別機関の発表によりますと、光学装置を組み合わせることで、このCVD合成ダイヤモンドの鑑別は、充分可能という結果が出ています。現状では、市場において大きな混乱が生じるものではないと思われます。ただ、ジュエリー専門家として、その存在と概要は把握しておいたほうがいいでしょう。

 GIAでは、アポロ社製CVD合成ダイヤモンドのサンプルで各種検査によって統計をとっています。ルーペでの目視では、ブラウンカラー、カット石の浅さ、特徴的な歪みパターンが手がかりになることもあるようですが、それでもって、鑑別する結果が得られるようなものではありません。

 ダイヤモンドビューで観察された強いオレンジレッドの発光反応が、最も有効な目視上の手がかりとなります。

 検査したアポロ社製の合成ダイヤモンドは、いずれもタイプⅡaダイヤモンドで、中には、微量の孤立型窒素に由来する1334cm-1の赤外線吸収がみられたものがありました。N-Vセンターに関連する275nmと637nmの2つのフォトルミネネッセンスのピーク、大半のサンプルでは、天然にはない596nm~597nmの二重線があります。

 最近の検査では、CVD合成ダイヤモンドにHPHTプロセス処理を施したもの、窒素を意図的に添加したもの、その複合があり、鑑別は慎重さを必要としています。

 この種のダイヤモンドを正確に鑑別するには、ダイヤモンドシュア、紫外可視光線分光光度計、FTIRなどで正確にダイヤモンドのタイプを判断し、その後、フォトルミネッセンス分光特徴、ダイヤモンドビューによる画像特徴により識別が可能という報告が、GIAのジェム&ジェモロジーで報告されています。

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