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ブランドの意味とこれからのブランドについて(3)

 商品ブランドとして、消費者に認知されていると判断できる指標はいかほどのものでしょうか。例えば、あるブランドがジュエリーという範疇で、10人に3人、100人に30人ぐらいの割合でジュエリーのブランドとして知っていれば、充分でしょうか。

 そう考えますと、日本のジュエリーブランドで一般に通用しているのは、「ミキモトパール」がその筆頭でしょう。店舗ブランドを除くと、メーカーのナショナルブランドは、ジュエリーの場合、皆無に等しいのが現状です。

 さらに、ラグジュアリーに関しては、圧倒的に欧米ブランドが認知されている現状で、今からジュエリーブランドを構築することは困難を極めています。日本のジュエリーメーカーでブランド構築できる可能性のある会社は一体あるのでしょうか。疑問です。強固な財務的な基盤がなく、ブランドが構築できうるスタッフがいない中小・零細企業の集合体の今のジュエリー業界にとって「ブランディング」は理想ではありますが、現実的ではありません。中途半端なブランディングは、企業の財務体質を悪化させることに直結します。ブランドを認知させるためには、億単位の広告宣伝費が必要になるからです。女性誌に年数回の広告では、ブランドの浸透は難しく、圧倒的な広告宣伝を打っている既存の欧米ブランドのなかで、埋没するばかりです。

 ただ、ショップブランドであれば、可能性が残されていると思います。

 財政面、市場環境が厳しい現状で、やるべきことは、やはりいつもこのブログで言ってますように「らしさの追求」です。それを継続していけば、「ならではブランド」が育つことになります。

 これからは、「形にならないブランド」を構築すべきだと言ってきました。「らしさ」や「ならでは」は形になりません。「ユーザーからの印象」を大切にして、「信用・信頼」は勿論のこと、自社、自店の個性や独自のスタイルを伸ばしていくことに集中すべきだと思います。

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