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進化するジュエリーユーザー

 コンシューマー(消費者)がプロ化して「プロシューマー」となる現象は、ジュエリーのような嗜好品において、より顕著になってきています。

 あの人が持っているから私も買うといった「背伸び消費」が影を潜め、本当にジュエリーが好きな人が、商品、お店を選別して買う時代に突入しています。宝飾業界人側にその認識が薄く、進化している消費者に着いていっていないのが今の現状です。

 各国の美術館レベルの展示品を見る機会も近年多くなりました。カルティエ、ブルガリ、ショーメ、ヴァンクリフなどの高級ジュエリーは、海外にわざわざ見に行く必要はなく、各ショップは主要都市に点在しています。

 ジュエリーユーザーの目、審美眼は急速に肥えてきています。

 しかも、一部オタク的な情報源であったインターネットは、急速に普及、進化して、ジュエリーのプロ的専門知識を簡単にゲットすることができます。

 比較的不可分所得が高い中年層、団塊世代やアラウンド40あたりにターゲットを絞り込んでいるジュエリー業者が多いのですが、この層は、行動力もあり、今やインターネットに対し抵抗感はまるでありません。

 20代後半から30代のアラウンド30は、携帯電話を駆使して、ネットを閲覧し、メールで情報交換し、疑問に感じたことは「SNS」や「はてな(人力検索)」などを利用して質問を投げかける「Web2.0」世代で、情報面でいうともっと強敵です。ブライダル産業は、この層を相手にするわけですので大変です。エンゲージ、マリッジリングを販売するジュエリーショップも心して接客しなければなりません。

 日本のジュエリー業界人は、特に、進化するユーザーに全く追いついていません。海外から日本に進出している会社、ジュエラーのほうが、ユーザー動向に敏感です。

 商品の独自性、差別化、ブランド化に遅れとっている日本のジュエリー業界。情報、サービス面でも海外ブランドに遅れをとっているようでは、ますますその差は広がるばかりだと思います。

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