ブランドとしての「フォーエバーマーク」
ブランドジュエリーについて、改めて調べてみようと思い立ち、過去の資料を物色していたら書棚から「ブランドジュエリー 2007 SPRING」が出てきましたので、早速読み直してみることに・・・。
「年齢に合わせて選ぶ ごほうびダイヤモンド図鑑」の最後に、フォーエバーマークについての説明ページ(上記のスキャン画像ページ)が掲載されています。タイトルは、「ダイヤモンドの信頼を保証するフォーエバーマーク」。
「フォーエバーマーク入りのダイヤモンドは、個々にそのマークとシリアルナンバーが刻印されており、地中から生まれてからあなたの手に届くまでの長い過程において、デビアスグループのDTCによって大切にケアされてきたダイヤモンドであることを保証しています」(文中より一部引用)
さて、私は、「品質」と「信頼」は別の意味を持つと考えています。ダイヤモンドの品質を追求するなら、Dカラー、IF(インターナリフローレス)、エクセレントカットで、しかもそのダイヤが大粒であればあるほど、品質としては最高であり、希少性としてのプレミアもつくでしょう。
しかし、そのダイヤモンドが「コンフリクト・フリー」であるか、「Blood Diamond」でないという保証にはなりません。キンバリー・プロセスを遵守する、システム・オブ・ワランティー制度の採用が必要になります。
キンバリー・プロセス、システム・オブ・ワランティーについて詳細は、こちら。
DTCサイトホルダーのなかで、フォーエバーマーク付きダイヤモンドが他のダイヤモンドと混同しないように管理するトラッキングシステムを導入し、第3者機関の監査を通った会社のみが扱えるという規定があります。
「ブランド」とは、単純に言えば、「刻印すること」。さらに、トレーサビリティーで原産地を特定することによって消費者からの信頼を獲得することは、世の流れです。
JJAは最近、「JJA 信頼のマーク」制度を発表しています。
確かに、高品質であればあるほど、消費者からの信頼を獲得することはたやすいでしょう。しかし、極論すれば、クリスティーズやサザビーズに出品されるような宝石、ジュエリーを扱えるディーラーは限られていますし、そういう品物が一般の流通に乗っかることは、まずありません。
消費者からの信頼をどう獲得するか、これからの宝石店の命題となっています。
目に見えない刻印を施した、フォーエバーマーク付きダイヤモンドがブランドとして成功するかどうかは、DTCの「広報」活動の成否にあると思います。
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