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世界に「目」と「ネットワーク」を

 諸般の事情により、暫くブログの更新が滞っておりました。申し訳ありませんでした。

 更新再開にあたり今回は、日本のジュエラーに対し、海外の情報を得ること、また世界のジュエリー産業とのネットワーク構築の必要性を新ためて提言することにします。

 表題の『世界に「目」と「ネットワーク」を』という視点から、今回は、JJA-JCコミュニケーション誌「ジュエリーコーディネーター 40号 Spring 2008」、GIA JAPAN発行「Gemologists News 2008 1 vol.59」、「英文誌 Rapaport Diamond Report(ラパポート ダイヤモンド レポート RDR)」の3誌をご紹介します。

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 写真は、社団法人日本ジュエリー協会発行、JJA-JCコミュニケーション誌「ジュエリーコーディネーター 40号 Spring 2008」表紙。その中に「レポート 韓国JC協会と現況」が掲載されています。このブログでご紹介しましたように、宝石の街・御徒町での加工仕事の6割、7割は、今や韓国系の会社や韓国人が扱っていると言われています。その御徒町では、ダイヤモンドメレーサイズの材料物等のルースはインド系の会社が牛耳り、ここ数年イスラエルにカッティング工場を持つ会社も御徒町や甲府に事務所を構えるようになり、ダイヤモンドの輸入卸業で成り立ってきた日本のダイヤモンド卸会社は、業態の変更を余儀なくされているのが現況です。

 さて、そのレポートによりますと、「韓国政府」がアジアを見据えながら国内のジュエリー産業に力を入れていること、「韓国ジュエリーデザイン協会」が「韓国貿易協会」との協力のもと各種セミナーを開催し、ジュエリー企業家たちとの活発な交流を進めていること、「韓国ジュエリーコーディネーター協会」が独立した協会になっていること(日本では、社団法人日本ジュエリー協会の部会事業としてジュエリーコーディネーター制度を実施・運営)など韓国のジュエリー事情を紹介しています。

 ジュエリー産業に取り組む韓国と日本における業界の大きな違いは、「政治力」にあると思います。韓国ジュエリー産業発展の要因のひとつに、宝飾産業育成は「国策」であることが挙げられます。

 近年、アマチュアスポーツの国際大会、特にオリンピックにおいて韓国、中国、ロシア選手の活躍が目立つのは、メダル獲得選手への奨励金や年金制度が確立していること、選手育成施設建設など国からのバックアップが充実しているからだ、という指摘が日本国内で論議された時期がありました。

 例えば、オリンピックでメダルを獲得すれば、その後の生活が安泰となる韓国選手と血の出るような努力の末メダルを獲得した後、国からはなんの保証もない日本のアマチュア選手とのモチベーションの違いは、歴然としていました。

 オリンピックメダル獲得の極端な減少は、国家の威信、国民の愛国精神の発露にかかわるとの観点からか、財団法人日本オリンピック委員会(JOC)や日本政府の態度は、アテネ五輪前から随分変わってきました。オリンピックメダル獲得選手への報奨金の大幅アップや強化選手育成施設の充実はアテネ五輪前後目を見張るものがあります。その結果は、皆さんご存知の通りです。3兆円産業から1兆円以下に業界規模が落ち込んだジュエリー業界は、オリンピックにおけるメダル減少の危機にあったアマチュア競技とある意味相通ずるものがあると思います。社団法人日本ジュエリー協会(JJA)がJOCと同じ危機感を抱き、協会関係者が一丸となって改革を進めるならば、暗澹とした今とは随分違った未来像が描けるはずです。

 過去、業界団体によくあるセクショナリズムに陥りがちだったJJAの改革は、聞くところによりますと少しずつではありますが進んでいるようです。日本のジュエリー産業衰退に歯止めがかからない今、尚一層の努力とスピードが要求されていると感じます。

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 写真は、GIA JAPAN発行、「Gemologists News 2008 1 vol.59」表紙。今回のレポートは、「ジュエリービジネストレーニングプログラム 開催の報告」。2007年11月2日~4日までの3日間、「ジュエリービジネストレーディングプログラム」がGIA JAPANにて開催されました。GIA本校では、Gemology(宝石学)に加えてジュエリー業界に特化した経営学(スクールオブビジネス)の教育も行っているようです。記事の前半は講義の内容で後半は受講者の報告です。2名による受講者レポートのなかで、発展著しいドバイジュエリーマーケットの現状やアメリカのダイヤモンド婚約指輪等ネット販売大手「ブルーナイル」のシステムを知り、随分参考になったという受講後の報告がありました。

 ジュエリービジネスを日々遂行している会社幹部であれば、ドバイのジュエリーマーケットやブルーナイルの情報は何も新しいことではないはずです。しかし、言葉や断片的な情報は知っていても、その実態を正確に把握したうえで、詳しく説明できる人は、業界では極々少ないのではないでしょうか。業界新聞や業界誌を購読して、おおまかでも読んでいる人は、非常に少ないと感じていますし、業界紙に掲載されている内容にも物足りなさを感じています。以前、日経BPから月刊「日経ジュエリー」が刊行されていましたが、部数が伸び悩み、数年で廃刊に追い込まれてしまいました。ちょうちん記事の多い業界紙とは違い、日経刊行物だけに、内容が充実していましたので、廃刊に対し、当時、非常に残念な気持ちになったものです。

 さて、ジュエリービジネストレーディングプログラムの3日間の講義内容は、1日目が「戦略的経営」、2日目「ビジネスツール」、最終日が「マーケティング」。記事の内容からの印象ですが、随分内容の深い講義ではなかったかと思われます。日本のジュエリー企業はほとんどが中小・零細企業で、社内教育体系がままならない現状を考えますと、GIA JAPANの、「ジュエリービジネストレーニングプログラム」は業界にとって、重要な意義があるものだと思います。

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 最後のご紹介は、Rapaport 発行、英文誌「Rapaport Diamond Report(ラパポート ダイヤモンド レポート RDR)」です。実は、私は、Rapaport Japan(ラパポート・ジャパン)の立ち上げから数年前まで、ラパポートの日本ブランチスタッフだったのです。残念ながら、現在、私が作り上げたラパポートジャパンのサイトはなくなっていますので、日本でのブランチ活動は止まってしまったのでしょう。日経ジュエリーの廃刊と同じように残念なことです。しかし、本社「Diamonds net」サイトから直接申し込めば、RDRマガジン購読は可能です。ダイヤモンドの価格チャート表(Pricelist)のみならず、世界のジュエリー産業・マーケット情報、最新宝石鑑別レポート・ニュースなどが満載です。年間購読料$250は、決して高いと感じていませんが、せめてサイトのNews Briefには目を通しておくべきでしょう。*重要項目以外の記事閲覧は無料です。

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コメント

GIAにひかれて来てみました^^!

投稿: Yoshica | 2008/08/05 13:24

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