エマイユと中嶋邦夫氏
昨年より、有限会社ニックス・ファクトリーから「In The Garden News Letter」が定期的に郵送されてきます。工房を主宰されている中嶋邦夫氏については、私の不勉強で、ニュースレターを頂くまで知りませんでした。お会いしたこともなく、当然、氏の創作された作品を実際に拝見したこともありません。
上記の写真は、第6号の表紙。B5サイズ4ページ構成の簡単なものですが、内容が簡潔にして充実していますので、ご紹介します。
今回の内容は、
今月の新作 プチ・フルール(表紙~上記写真)
特集 アール・ヌーボーのジュエリー作家たち Vol.6 アンリ・ヴェルベール
金属の話 連載第五回 金とプラチナ Vol.5
技法紹介 エマイユ・シャンルヴェ
物づくり随想
日々を彩る花たち From My Small Garden スノードロップ
展覧会報告
となっています。特筆すべきは、「特集 アール・ヌーボーのジュエリー作家たち Vol.6 アンリ・ヴェルベール」と「技法紹介 エマイユ・シャンルヴェ」の内容です。代表的な写真を添付し、作家の視点からみた奥深い解説文は、簡潔で明快です。
画一的で定番的なジュエリーばかりが店頭を飾り、ジュエリーの面白さ、宝飾文化の奥深さを語れるジュエリーが広く紹介されることがないジュエリー業界。中嶋氏の作り出すジュエリーには、氏独特の世界観があり、まさに「らしさ」がある作品だと思います。
機会があれば、是非、取材を兼ねて作品を見たいと思っています。
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コメント
中嶋様、ご丁寧なコメントありがとうございます。
へたな解説や自分よがりの批評を並び立てるより、「百聞は一見にしかず」と申します。
是非、アトリエで作品を拝見させてください。お願いします。
投稿: 仁醒 | 2008/05/24 22:39
辻 様
メール有難うございます。
ほんの2,3日前に 「宝石月夜ばなし」を見て御礼をしなくてはと思っていたところで、
恐縮しております。
私は30年ほど前に当時としては斬新なジュエリーを作っていらした 故田宮千穂先生のアトリエで
ジュエリーの制作を始めました。
田宮先生は22年前に47歳で亡くなってしまったため、若い方はご存じないかも知れませんが
物故直後に御木本ホールで催された遺作展には、御木本ホール始まって依頼の動員を記録するなど
当時のジュエリーデザイナーとしては群を抜く実力者でした。
作品は今見ても新鮮な印象を受けるほどで、間違いなく日本のジュエリーデザイナーのパイオニアのお一人でした。
古くから業界にいらっしゃる方々の中には、”田宮の影響を受けていないジュエリーデザイナーはいないかもしれない”
という方もあり、もしご存知でなければ是非一度チェックをしてみてください。
20年ほど前に独立してから、10年ほどは多くのデザイナーの方々(お名前を言えばすぐわかる方々)の
裏方として制作を続けて、12年ほど前からオリジナルデザインのジュエリーを制作販売しています。
年間の制作点数は約1000点程、すべて私のアトリエとOB達の手で制作しています。
エマイユの技法はアンティークジュエリーの修理等をしながら
協力してくれるスタッフと共に試行錯誤を繰り返して自己流で習得しました。
ブリュッセルのウォルファーズやロンドンのリチャード・オグデンなどでも展示販売をしてもらい、
或る程度の評価をしていただいていると思っています。
元ミキモト常務の山口遼氏からは ”日本にこれだけのプリカジュールが出来る奴がいるとは思わなかった”
と褒めて?いただきましたが、日本国内では七宝を使った本格的なジュエリーはまだまだマイナーな存在なので
辻さんのようなジュエリージャーナリストの方に、是非広く紹介していただけると大変助かります。
もしよろしければ一度アトリエのほうへもお出掛けください。
数少ないエナメルジュエリーの制作現場(大した所ではありませんが)を見てみるのも面白いのではないでしょうか。
2,3日中にNews Letter も更新します。
こちらのほうも宜しくお願いいたします。
取急ぎお礼まで。
KUNIO NAKAJIMA
Nick's factory
投稿: 中嶋邦夫 | 2008/05/20 20:34