この国のいびつな宝飾世界
2月15日フジサンケイ ビジネスアイ。麻生千晶氏は、コラム「メディア斬り」で「この国のいびつな食世界」というテーマで、中国産冷凍食品の毒入り事件をわが民族の食のあり方についての教訓として論評しています。
その中で、西部一明氏の書籍「どうすれば本当においしい料理店に出会えるか」(アスキー新書)の次のような一文を紹介しています。
「一生懸命にいいものを作りたいと頑張っている生産者に会ってみると、高いレベルの食材を供している人たちが、現実には経営が厳しく、いつも余裕のない自転車操業の状態にあり、経営以前に彼らの生活そのものが脅かされている・・・中略」
「効率化を推し進め、安易に規格品の大量生産方式を取り入れてしまったことが危機を招いた・・このような食で育つ人は農畜産業や漁業の現実に対する批判精神をなくし、食を流行の一つとしてしか捉えられなくなっても不思議でなない・・・」
輸入食材に半分以上依存するようになった日本。安価な野菜や牛肉を海外から大量に輸入することにより、国内の農畜産業は衰退する一方です。安い牛丼やハンバーガーを食し、一品300円程度の居酒屋で乾杯する庶民。かたや東京は、ミシュランで世界で一番多く星を獲得するレストランを有する都市です。
いびつな食世界。
そのいびつな世界は、「宝飾」世界でも加速的に進んでいます。
規格品、安価な加工賃を追求してきた日本の宝飾業界。次々廃業していく腕の立つ加工職人。生産拠点を海外に求めるメーカー。海外ブランドショップが乱立する銀座。新しく商品企画することなく、輸入ジュエリーに頼るようになった卸業。
その先の未来は、わが国の「食」の世界と同様、ますます「いびつな世界」を作り出してしまうでしょう。
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