「お礼奉公」という商習慣
私は、大阪の商売人の家庭で育ちました。今日のブログのタイトル「お礼奉公」という商習慣は、今は余り聞いたことがありません。大阪では、お店、会社でお世話になり、その道で独立したり、暖簾わけをしてもらう際、半年ぐらい無給で働く「お礼奉公」が当たり前にあったと親から教わりました。
現在は、そんな習慣はまずありません。会社や人間関係、仕事が嫌になって、個人の都合で辞めたりする場合が多いですし、単純にリストラされる場合、会社に「お礼」などとんでもないお話しです。残った有給を清算し、さっさと辞めてしまうのが当然になっています。
宝石屋の世界は、昔は特に、身内で経営してしている商店がほとんどでしたので、奉公人(古い表現ですいません)は、限られた人間しか独立できませんでした。
景気のいい時代、ちょっと仕事を覚えると、独立するひとが多かったのですが、独立すると、すぐ元いた会社の得意先に同じような商品を売り込みにいくといった不届きな輩も増えました。
御徒町の宝石屋の世界では、景気はまだまた回復していません。景気のいい時代、そうやって独立していった多くの会社は、今はほとんど残っていないのが実情です。
「お礼奉公」があり、信頼関係で成り立っていた時代は、相手の素性や顔が見えるので、今のように倒産が頻発することも少なかったと思うのは、私だけでしょうか。
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