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日本のジュエリー産業再生について(3)

 モノがなかった時代。事業成功の要件は、ヒト、モノ、カネでした。ヒト、モノ、カネの3要素をいかに効率的に活用するかが成功への近道でした。

 モノがあふれている今。成功への要件が増え、成功へのハードルは、一段と高くなりました。知財(知的財産)、企画、マーケティング、広報などの要件が成功への要件にプラスされました。

 がむしゃらに、モーレツに働けばなんとかなる時代ではありません。営業マンは、他人、他社より多く得意先を回れば、数字はついてきました。お店は、店主がまじめに商売に打ち込めば、なんとかなりました。

 しかし、今は、肉体的に頑張れば、成果が上がるという時代ではありません。右脳と左脳を駆使して、しかも体力と精神力を持続しなければ、事業はなかなか成功しません。全ての能力を兼ね備えた人物は、稀有な存在です。

 3要素であれば、なんとかなりそうですが、これだけ成功へのハードルがたかければ、ひとりの力では到底無理です。

 そこで、重要になるのが、ネットワーク志向です。日本のジュエリー業界にとって欠けているのは、まさにネットワーク志向ではないでしょうか。

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SONY NWウォークマン

 SONYのネットワーク・ウォークマンが好調のようです。

 SONYは近年、PCや大型TVの開発で同業他社に水をあけられ、次世代商品の開発に遅れをとり、それが業績悪化の引き金になっていたのではないでしょうか。
 
 SONYファンが求めているものは、SONYらしい商品であって、金融商品や保険業務ではなかったはずです。

 SONYの復活には、やはり「驚きのある」商品が不可欠です。

 ジュエリー業界も、接客や顧客サービスなどソフト面に目がいきがちですが、魅力ある商品を開発したり、それをユーザーに紹介することが第一義であることを忘れないでほしい。

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日本ジュエリー産業再生について(2)

 リーディング・カンバニーの有無

 多くの業界では、業界を牽引するリーディング・カンパニーが存在します。シェア20%を占めるような上場企業が新商品、新サービスを次々と発表し、宣伝広告も活発に行います。

 日本のジュエリー業界に、リーディング・カンパニーが存在しないことが、低迷から脱却できない原因という意見は、一理あります。

 しかし、ジュエリー業界は、市場シェアを独占する企業が成り立ち難いのです。川上に位置するデ・ビアスやロシアのアルロサは別格です。日本のジュエリー業界で、それらの企業に伍して対抗するのは不可能でしょう。

 取扱商品の宝石は、鉱山で産出されるものであり、工場で画一的に大量生産できません。素材である金・プラチナ地金もそうですし、いずれも国際価格に左右されます。

 中小企業の集まりである日本のジュエリー業界は、同族会社が多く、企業統合が推進できる環境にありません。そうであれば、DTCのやった「トリロジー」のように、企画による共同販促を推し進める方法が有効です。企画を推進する団体が、JJA(日本ジュエリー協会)に限定する必要はありません。

 色石の国内販売を促進するための有志の団体ができています。以前のように、DTC、PGI、WGCの販促企画に便乗するという戦略はこれからは取れません。

 企画・広報が重要な時代。その潮流の乗り遅れないようにしなければなりません。

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日本ジュエリー産業再生について(1)

 日本ジュエリー産業の低迷は、まだまだ続きそうです。ジュエリーの消費規模に合うまで、メーカー、卸の規模の縮小が続くというのが業界人の一般的な意見。

 低迷する日本のジュエリー産業を自ら押し上げようとする活動は、残念ながら業界内になかなか見つかりません。
 
 将来に対する輝かしいビジョンを掲げることは簡単です。しかし、一番重要なのは、過去の過ちを反省し、現状の問題を深く掘り下げることです。過去から現在に至る問題を認識することなく、将来に対するビジョンを示すなら、それは絵空事になりかねません。

 今、JR西日本の会社の体制が問題になっています。さらに、橋梁工事に対する談合体質などが浮き彫りになっています。

 長年染み付いた業界の体質を改善することは、並大抵の努力ではできないものです。

 まずは、日本のジュエリー業界の問題点を列挙する必要があります。

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交流戦に思う

 今年から始まった交流戦。昨年まで見ることができなかった対戦カードが楽しめます。

 特に、パのエース対セのホームランバッターの対決がおもしろい。緊迫した雰囲気と選手同士の意地のぶつかり合いが感じられます。

 そこで、提案ですが、来年よりセの1チームとパの1チームを毎年交換すればどうでしょう。交流戦も続けます。例えば、セの最下位チームとパの第二位を交換します。人気のセリーグの各球団も最下位になると、パに移籍しなければならず、終盤の消化試合がなくなります。パリーグでたとえ優勝できなくても準優勝できれば、セリーグに行けます。

 セ・パの各チームのモチベーションは上がるでしょう。

 さらに、球界のモチベーションも上がることになり、球界の活性化になります。

 ジュエリー業界も、各会社や個人のモチベーションが上げるような「具体的制度改革」が必要です。大上段に構えた「方針」だけでは活性化になりません。

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嗜好品と消費財

 輸出産業の花形であった家電産業。その代表であったSONYに元気がありません。それにひきかえ、日本の自動車産業は、トヨタを筆頭に好調のようです。

 SONYの失速は、ソフト産業に傾倒し、SONYの独壇場であった技術の革新が停滞してしまったことでしょうか。SONYは、金融・銀行業にも手を出していましたね。

 家電や車は消費財です。しかし、人それぞれ嗜好が違いますし、新しいデザイン、技術に目が移ります。

 人間のこころ、感性をお金に変えるのは、それが目に見えないだけに本当に難しいですね。

 ジュエリーは、嗜好品ではありますが、ありきたりのデザインや古い技法に頼っていては、変化するユーザーの気持ちをつかむことが出来ません。

 不変なるものと変えなければならないものをよくよく考えなければなりません。

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コンサル出身者が新風

 5月12日、日経に「コンサル出身者が新風」~業務用酒販や病院経営・・・慣行残る業界~が掲載されていました。

 コンサル出身者が実業の世界で失敗する例も多いなか、成功例を紹介しています。零細企業で成り立っている業界では、同族経営による世襲制や業界の古い慣行がはびこり、改革は難しいものです。

 ここで紹介されています業務用酒販や病院経営、廃棄物処理業界のみならず、ジュエリー業界も似たような体質があります。

 必要によっては、合掌連衡が必要になることもあるでしょう。その場合、必要な人材は、コンダクターではないかと思います。コンサル出身者が実業で成功するには、タクトを振る能力があるかないかでしょうか。

 数人で運営するジュエリー専門店の場合、レストランや料理屋の板場のように、全体を統率できるシェフや板長が必要です。

 少数精鋭には、名指揮官の存在が重要ですね。時代劇、戦争映画などの実例が散々あります。

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ジュエリー TV CM

 最近、夜の番組を見ていますと、ジュエリーのスポットCMに注目してしまいました。

 ボクシングジムにダイヤモンド・スリー・ストーン・ペンダンントをした女性が登場。男性のトレーナー相手に華麗に舞う姿がスローで映し出されています。

 注目したのは、そのスリー・ストーンのダイヤモンドが異常に大きいのです。明らかにスリー・ストーンと視聴者にわかってもらうためでしょうか。

 CMといえども、バランスが大切。そんなことを考えてしまいました。即物的なCMではなく、もっと商品イメージや内面に訴えるCMがジュエリーには合っているのではないでしょうか。

 「大きいことはいいことだ!」という時代は、とっくに終わっている??

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LOHAS ロハス

Lifestyles
Of
Health
And
Sustainability

頭文字をあわせて、LOHAS(ロハス)。米国発の生活観。日本では、「健康と環境を志向するライフスタイル」と意訳されます。米国市場規模35兆円。

 5月2日の日経MJのトップ記事。~消費の新しいキーワードとしてLOHAS(ロハス)が急浮上している。「おしゃれで楽しい生活」を前提に、健康で環境に配慮した商品やサービスを選ぶライフスタイルを指す。どこか理屈っぽいイメージの「エコ」とは違い、「ロハス」はあくまで自分のため。関連ビジネスは衣食住をはじめ、あらゆる分野に広がってきた。~とあります。

 なんとなく曖昧なコンセプトでありますが、ジュエリーの分野でも、ロハスをイメージした商品が出てきそうです。コンテンポラリージュエリーの分野では、そういうジュエリーがあるのではないかと思います。
 

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ダイヤモンドの輝き

 ダイヤモンドの評価基準、4Cを考案し、世界に広めたGIA。

 GIAでは、ラウンドブリリアントカットの新カットグレーディングの基本を2004年秋に雑誌ジェム&ジェモロジで発表しました。主な要素は、ブライトネス、ファイアー、シンチレーション、重量化、耐久性、ポリッシュ、シンメトリーの7要素。

 詳しくは、後日、Gem-PLanet CLub でレポートします。

 GIAでは、今年中にダイヤモンド・グレーディング・レポートに導入の予定。


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JC1級検定試験

 8月、ついに、ジュエリーコーディネーター1級の試験が実施されます。3級、2級検定試験も実施。

 皆さん、チャレンジしてみてはどうでしょう。

 詳しくは、JJA-JCまで。


 受験資格 ジュエリーコーディネーター2級資格取得者(登録者)
合格には「ジュエリーに関する高度な専門知識と高度な接客及び販売の実務技術を持ち、豊富な経験と見識で人材の育成、指導及び店舗運営の出来るレベル」(ジュエリーコーディネーター資格制度規定)が求められる。
 
試験の概要
一次試験  設問形式(100字程度)
        論文形式(1000字程度)
二次試験 実技試験
       面接試験  
  出題範囲は、テキストにこだわらず実践に必要なあらゆる範囲とする。


 実施日程
① 申込期間 : 平成17年6月1日(水)~24日(金)
② 一次試験 : 平成17年8月24日(水) 午前:設問形式 午後:論文形式
           合格発表 平成17年9月30日(金) インターネット
                  平成17年10月3日(月) 合否通知発送
           東京、名古屋、大阪、福岡で実施
  二次試験 : 平成17年10月26日(水)
            東京で実施、大阪は未定
③ 受験料  : 一次試験 10,000円
           二次試験  5,000 円 (二次試験受験者のみ)

 

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ダイヤモンド原石価格

 以前より疑問に思っていた問題。それは、ダイヤモンド原石価格の問題。

 ダイヤモンド原石の採掘量は、鉱山の開発や近代化のより増加しています。近代化、効率化により採掘コストは、減少しているのではないかとも考えています。
 
 需要は、中国、インドなどアジア圏が堅調で増加しています。

 価格が需要と供給のバランスで成り立っていて、デビアスのSOC政策のため独占力が低くなってきたのであれば、ダイヤモンド原石が時期によって、上昇したり、下がったりしてもよいのではないかと考えていました。

 しかし、ここ数年ダイヤモンド原石は、ずっと右肩上がりです。

 その大きな原因は何か。最近、あるレポートを読み、その原因がおぼろげにわかりました。

 専門的な問題ですので、ゴールデンウィーク中に、Gem-PLanet会員サイト「GPC」で発表します。

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