ポンデュプレジール(Pont du Plaisir)歓びの架け橋」という名のオーダージュエリーサロン
三重県四日市にサロンを構える「ポンデュプレジール」という名のジュエリー専門店。店名は、フランス語の「Pont du Plaisir」。日本語に訳すと「歓びの架け橋」である。サロンのオーナーは、橋本佳代氏。一般社団法人日本ジュエリー協会認定1級ジュエリーコーディネーターである。
屋号の由来は、1級ジュエリーコーディネーター同期橋本誠爾氏の次の認定スピーチ。
『今回合格した僕達は偶然名前に「ハシ」が全員つきます。この名前のようにお客様との架け橋となれるよう、さらに努力をしていきます』
橋本佳代氏は、このスピーチから屋号のヒントを得たという。
橋本氏の有するその他の資格は、
・(一社)日本真珠振興会認定/真珠検定シニアアドバイザー
・(一社)日本リ・ジュエリー協議会認定/1級ジュエリーリモデルカウンセラー
・(公社)色彩検定協会認定/文部科学省後援 色彩検定1級
・東京商工会議所認定/1級カラーコーディネーター(ファッション色彩)
である。
橋本氏は、ジュエリーコーディネーターの最高位の1級ジュエリーコーディネーターである。故に、宝石、ジュエリー全般に対する知識は豊富で、真珠に関しても造詣が深い。それは、過去に真珠大卸の会社に長年勤めていて、真珠の商品企画から店舗運営までかかわっていたからであり、現時点では、真珠振興会のシニアアドバイザーであるが、そのまた上の資格を目指しているらしい。
ただ、いくら知識が豊富でも、接客に対してのおもてなし、販売の基本心得がなければ、高級品であるジュエリーは売れない。専門知識が豊富な男性が陥りがちなのが、顧客に対し、マニアックな商品知識を披歴することである。
橋本氏は、社会に出て最初に勤めたのが、伊勢志摩にあるリゾートホテルだったそうで、ホスピタリティーが重要なホテル業界での研修や行動規範が今に活かされているようだ。
また、既存の出来上がったジュエリーを販売するのではなく、オーダーメイドジュエリーの場合、相手への理解力とともに、提案力が必要である。
私の両親から、「商売の基本は、聞き上手」と口すっぱく言われたが、オーダージュエリーの販売には、そのことが欠かせない要素であることは、橋本氏も同感であろうし、それは日々の実践で培われていることであろう。相手に対する理解とともに、オーダーを受ける側には、提案力も必要になってくる。聞くばかりでは、ありきたりのジュエリーになったり、または、突飛な作品になってしまう。相手の意向を十分に汲み取ったうえで、適切なアドバイスや製品プランに対する提案が必要だ。
宝石、ジュエリーの世界は底が深い。それゆえに、まずは、商品に対して深く知ることから始まり、そのうえで、接客力が必要になり、最後は、人間力が試される。何故なら、ジュエリーを買う、オーダーをするという顧客層は、知的富裕層だからである。バブル期のように、勢いでジュエリーを買うような時代はこの先訪れないのである。普段から本を読んで知識を得、ジャズやクラシックを聞き、美術館にも足を運ぶ、そういう人たちが顧客になり得る。
橋本氏は、普段の活動、旅行記などをブログに書いている。ブログは、自らの知識を披歴するツールではなく、その人の考え方、趣味や行動を読者に知ってもらう公開日記のようなものである。だから、ごまかしが効かない。橋本氏のブログは、その人となりがよく分かる。だから、それを読んだ未来の顧客は、安心するし、信頼もする。
さて、人として生き方であったり、仕事、商売で大切なこととして「不易流行」を挙げる賢人がいる。不易流行とは、いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、新しく変化をかさねているものを取り入れていくこと、である。
本質的に前向きな考え方、素晴らしい生き方は、時代が変わろうとも、揺らぐことなく変えることはない、しかし、社会環境が変われば、それに適合し、新しい販売方法があれば、それを取り入れる進取の精神が必要である。
ここ十年、大きく変わったのは、高速インターネットの普及であり、スマートフォンの進化であると言っていい。会社、商店が単にウェブサイトを持つ時代から、検索エンジン最適化ができているか、SNSの特徴をよく知り、顧客ターゲットにうまく告知出来ているかが、売り上げに大きく関わってくる時代になってきている。
「ポンデュプレジール」は、ウェブサイトの仕組み、ブログの活用、LINE での顧客対応に優れている。ネット環境が、5Gになれば、動画でのやり取り、会話も飛躍的に向上する。オーダージュエリーサロンとして「ポンデュプレジール」は、それを見越して手を打っているようだ。まさに、ポンデュプレジールは、「サードウエーブジュエリーショップ」の小さな巨人になりつつある。
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