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2018年12月23日 (日)

相談できるアットホームな宝石屋 「箕面のちいさな宝石屋」

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ジュエリーの修理、リメイク、リフォームの専門店が、箕面の船場西にある。新御堂の「船場北橋西詰」を左折して、さらに150mぐらい車を走らせるとシックな外観の「箕面船場ビルディング」が見える。このビルの2階にその店がある。電車・バスを利用する場合、千里中央駅から阪急バスに乗り、走行約7分の「新船場北橋」バス停で降り、徒歩3分でそのビルに到着できる。この地域は、箕面市の新興住宅地のひとつで、近くに大型電気店と食品スーパーの複合施設がある。

箕面船場地区は、大阪府の北摂西の箕面市、豊中市、吹田市のちょうど真ん中に位置し、池田市、宝塚市、川西市、伊丹市から、または茨木市、高槻市からのアクセスも便利な立地で、まさに北摂地域に根ざしたリフォーム専門店である。また、2020年には、徒歩5分に新しい「箕面船場阪大前駅」が完成する予定である。




上記全ての写真撮影 辻 直之 

 

「箕面のちいさな宝石屋」は、ビル2階エントランスに入り口がある。店内に入ると、オーナー店長である越野泰明氏の長い事務机と大きな応接セットが目に入る。ジュエリーの展示はサンプル程度に置いてあるだけだ。そこは、まるで個人経営の税理士事務所かコンサルタント会社の事務所のようでもある。

店舗のコンセプトは、「相談できるアットホームな宝石屋」。百貨店の宝石サロン、海外ジュエリーブランドショップ、日本の一流ジュエリーショップは、どうしても敷居が高く、初めてジュエリーの修理やリフォームの相談で入店するには、誰しも気後れがしてしまう。かといって、アクセサリーショップや、町の時計・宝石兼業店では、大切にしているジュエリーを店舗に預けるには、いささか不安にかられてしまう。そういうひとが多いのではないだろうか。宝石やジュエリー愛好家であっても、一流宝石店に気軽に入れるひとは、そのうちのほんの一握りである。

2018年12月現在、「箕面のちいさな宝石屋」のリフォーム事例は、1200件を超える実績がある。その豊富な事例は、体系的に分類され、納品価格を含めホームページで閲覧できる仕組みが出来上がっている。

「箕面のちいさな宝石屋」のホームページでは、店舗の様子やリフォームシステムをコンパクトにまとめた動画をみることができ、初めてジュエリーの修理、リフォームをどこで頼もうかと迷っているひとには安心できる内容になっている。ホームページのコンテンツのひとつに店長越野氏のブログがある。趣味のアメリカンフットボールの話題、家族旅行の様子など氏の人となりがうかがえる内容で、相談者の店舗選択の決め手のひとつとなっているそうである。ちなみに、越野氏は、平成29年、30年に社会人アメリカンフットボールチームのヘッドコーチであった。

新規の顧客の約9割がホームページを見て、メールや電話でコンタクトを取ってくるという。インターネットが広く普及している今や、消費者の行動が「AIDMA」から「AISAS」へ変わったといわれている。
A(Attention 注意)
I(Interest 関心)
D(Desire 欲求) 店で商品を見る
M(Memory 記憶)
A(Action 行動)

AIDMA の法則は、この5つのプロセスを経て購入につながると、消費者の購買行動の心理変化をとらえたものである。

ところが、インターネットの普及と消費者の情報リテラシー(情報を活用できる能力)の向上により、消費者の購買行動が以下のように変わっていったといえる。
A(Attention 注意)
I(Interest 関心)
S(Search)インターネットで商品比較、口コミを調べる
A(Action 行動)
S(Share 共有) SNS などで共有する

「箕面のちいさな宝石屋」オーナーの越野氏は、このAISASの法則を知っていたのだろうか。インターネット、スマホの普及により、ホームページの告知とウェブ新時代の口コミ戦略によって新規顧客獲得の方法論が大きく変わってきている。その傾向は、書籍、日用品から始まり、今では、ラグジュアリー嗜好品であるジュエリーにまで及んできている。

ただし、紙媒体による広告、告知手段は、今だに侮れない。スーパーマーケットの新聞折り込みチラシやピザなどのデリバリーサービスの投げ込みチラシがなくならないのは、一定の効果が見込めるからだ。

インターネットや店舗で情報配信の登録をしてメンバーになると、メールマガジンはもとより、自宅にDMや会報などが送られてくる。「箕面のちいさな宝石屋」では、「KOSSII’S letter」というニュースレターが顧客に届く。

22018年12月、平成最後のニュースレター、VOL.13が郵送されている。その内容は、この半年間における店長の所感に始まり、コラムは、「ご両親の子供への愛情」について、ジュエリーのお話は、「心温まるリフォーム事例」の紹介、さらに、店長おススメの本と続き、最後にアメフト話題と店長自身の家族とのふれあいに関する写真付きエピソードと盛りだくさんな内容である。

こういう手作りのニュースレターは、顧客とのコミニュケーションツールとしてとても大切なひとつである。メールやSNSの投稿、閲覧に余りにも偏りすぎる人と人との交流の反動で、アナログ的な手法が昨今見直されて来ていることも事実である。

また、顧客から、「箕面のちいさな宝石屋」では、ジュエリーの販売はしていないのか、という要望に答え、「ファミリーセール」をここ数年開催し、好評を得ているようだ。

「箕面のちいさな宝石屋」は、インターネットという武器を有効に利用しながらも、アナログ的な地味な努力を惜しまないジュエリーリフォーム専門店である。アメリカンフットボールに例えるならば、インターネットという飛び道具であるパス攻撃に頼ることなく、着実に前進できるアナログ的なラン攻撃を交えた戦略的な販売活動をしているといえる。「ちいさな宝石屋」の「おおいなる」戦略はこれからも続いていく。

https://jewelry-kizuna.com/

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